スイスラウンド上位の武田が先手となる。
それぞれの使用デッキは
菅谷:白黒緑のアブザンミッドレンジ
武田:白青赤のジェイスカイテンポバーン
となっている。
正直なところ菅谷の不利は動かないだろう。
2日間全14ラウンドを駆け抜けたとしてもあと3つ勝たなければならない。
その大事な1戦目で不利な相手に後手でのスタート、菅谷の心中はいかんばかりか。
先手であればマナ加速からの《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》でけん制することも可能なのだが……
開始前からの有利を武田が生かし切るか、GPチャンプの菅谷が意地で跳ね返すか。
Game1
両者マリガンなく十分な体制でスタート。
白マナのない不安の残るハンドをキープした武田だったが、《天啓の神殿/Temple of Epiphany》で
《凱旋の神殿/Temple of Triumph》を見つけることで即座に解消された。
このイベントで何度もプレイされてきた菅谷の《森の女人像/Sylvan Caryatid》を《カマキリの乗り手/Mantis Rider》が乗り越える
ところからゲームスタート。
延命処置として《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》をプレイしつつ占術ランドで不要牌を下に送り込む。
長引けばクリティカルなカードが場に出てしまう武田は《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》で攻めを加速させる。
環境初期のデッキによくあることだが、同じタイプのデッキであっても各人によって採用されているカードが大きく異なる。
この紛れを消すため、バーン相手に多少リスキーだが《思考囲い/Thoughtseize》で武田のハンドを除く菅谷。
正確なサイドボーディングを行うためにも情報は多い方がいいため、見た目以上の効果があるだろう。
これにより《龍語りのサルカン/Sarkhan, the Dragonspeaker》を奪われた武田、《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》の
トークンを招集に使い《かき立てる炎/Stoke the Flames》で《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》を処理。
《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》の道を開かなければ勝利の道も同様に開けないとの判断。
この攻撃に合わせ、不気味に立てていたマナから《完全なる終わり/Utter End》でうるさい虫を文字通り終わらせると
2枚目の《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion》《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》と
畳みかけた菅谷だったが、《ジェスカイの魔除け/Jeskai Charm》で一旦怪物を退けた後《カマキリの乗り手/Mantis Rider》と続けて簡単に主導権を譲らない。
《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》を引き込んだ菅谷は+能力でライフを9点まで戻す。
逃げるのならそれ以上の速さで追いかけるのみと《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》を追加して菅谷の首を求めた。
6点のダメージが入り、《稲妻の一撃/Lightning Strike》があればゲームが決まったが持っているのは《マグマの噴流/Magma Jet》。
命拾いした菅谷は《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker》で擬似的に速攻生物を生み出し
《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》の能力で一気にライフを獲得しに行く……と思われたが
流石に目の前の《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》が怖すぎる。
慌てて攻撃クリーチャーの選択を熟慮し、《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》のみで攻撃。
一見盤石に見えたこのプレイだったが、命を吹き込まれた土地がブロックした《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》を
冷静に《マグマの噴流/Magma Jet》で処理することでライフを得させなかった武田が15点のダメージを叩きだし先勝した。
菅谷 0-1 武田
2012年度LMCC優勝者 武田
Game2
「《森の女人像/Sylvan Caryatid》スタートできる人は強い」
とは武田の言。そこから放たれる《包囲サイ/Siege Rhino》を《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》でかわし
《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》《停止の場/Suspension Field》と動いて2体目の《包囲サイ/Siege Rhino》もなんのその。
《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》でいなされた武田、これが駄目ならそれと《カマキリの乗り手/Mantis Rider》。
《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker》で土地に命を吹き込む菅谷だったが、《跳ね返す掌/Deflecting Palm》で裏切られたのち
火力の連打で優勝の目を絶たれた。
菅谷 0-2 武田
初手が本当に勝ち得るハンドかの検討に始まり、数ターン後にプレイするスペルから逆算してセットランドするなど
不利なマッチアップの中でも常に勝つために動いていた菅谷。
武田から最後の火力が公開された時、スマートに差し出されたその姿勢も合わせ見習うべきところが多かった。
GPマニラチャンプ、菅谷
コメントをお書きください