By Yuya Hosokawa
LMC Championship2016。今年からオープンイベントとなったことで、千葉・秋田のLMCの名だたる強豪たち以外にも猛者が集った今大会。そこで、初日のスタンダードラウンドを全勝で終えたプレイヤーがいた。
菅谷 裕信である。
今年のグランプリ北京で二度目のグランプリ優勝を収め、シルバーレベルプロとして活躍している、LMCを代表するプレイヤーの一人だ。
現在はLMCの主催者でもあり、レベル2ジャッジとしての顔もあるなど、二束のわらじならぬ三束のわらじを履きこなす菅谷。
もちろん再来週に控える『プロツアー・カラデシュ』にも参加する菅谷。このLMCCは貴重なデッキ調整の機会でもあるのだ。
白系アグロを得意とする菅谷がLMCCに持ち込んだのはもちろん白赤機体アグロ。しかもそれで全勝中ということならば、話を聞きたくなるのは当然のことだろう。
――こんにちは。全勝中とお聞きしました!
菅谷「どうも。そうですね…デッキが先週のプレ裏スタンダードの時よりも強くなったので。いい感じに仕上がってきていますよ」
――なるほど。まず白赤機体というデッキについて簡単に教えてもらえますか?
菅谷「そうですね。基本的には《密輸人の回転翼機/Smuggler's Copter(KLD)》と《模範的な造り手/Toolcraft Exemplar(KLD)》を使い倒すデッキ、みたいなイメージでしょうか。この2枚は飛びぬけて強いので。《模範的な造り手/Toolcraft Exemplar(KLD)》と相性の良い《スレイベンの検査官/Thraben Inspector(SOI)》を入れて、まあ自然と《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》が入って」
――ありがとうございます。一般的にはまず入っている《発明者の見習い/Inventor's Apprentice(KLD)》はこのデッキには入っていないのですね。
菅谷「あいつはあまり強くないな、と思いました。1マナ2/3を出して嬉しくないんです。やっぱり2/3はすぐに止まってしまいます。それに1ターン目に赤マナも白マナも出すマナベースにはできませんから…2ターン目に出す分には弱いですからね、このカード」
――《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》、《ラムホルトの平和主義者/Lambholt Pacifist(SOI)》で止まるのは悲しいですね。
菅谷「はい。後は、そこまで軽いカードを意識して入れているわけではないので…アグロというよりはミッドレンジなんですよ。ただ《模範的な造り手/Toolcraft Exemplar(KLD)》は下手な中盤のカードよりも強く、《スレイベンの検査官/Thraben Inspector(SOI)》は手がかりを出す能力がかみ合っているから使っているのであって」
――1マナ3/2先制ってとんでもないカードですからね。
菅谷「ですね(笑)3マナはどちらも強いカードなので、伝説であることを考慮して2枚ずつ入れています。重ね引いてプレイできないというのがもっとも最悪なので」
――なるほど。機体の枚数についてお聞きしても良いですか?
菅谷「《密輸人の回転翼機/Smuggler's Copter(KLD)》は4枚ですね。このカードを中心にスタンダードは回っていくといっても過言ではありません。そのぐらい強いです。で、《高速警備車/Fleetwheel Cruiser(KLD)》はいまいちだな、と思いました。《密輸人の回転翼機/Smuggler's Copter(KLD)》と一緒に引いた時に弱いのですよね。機体カードってクリーチャーをタップさせる必要がありますから、装備品みたいなものじゃないですか。装備品をデッキに8枚も普通は入れませんから、機体の枚数は可能ならばおさえた方がいいのかもしれません」
――言われてみればまんま装備品ですね(笑)《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship(KLD)》はどうでしょうか?
菅谷「このカードはかなり強かったですね。5マナで搭乗3ということで1枚に抑えていたのですが、このデッキはかなり搭乗3がしやすいんですよ。《スレイベンの検査官/Thraben Inspector(SOI)》以外は全部搭乗できますからね。《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship(KLD)》はミラーとかの最終兵器です」
――べた褒めですね!サイドボードについてもよろしいですか?
菅谷「目を引くのは《折れた刃、ギセラ/Gisela, the Broken Blade(EMN)》でしょうか。このカード、今めちゃめちゃ強いです。生き残りやすくなりましたね。《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》が環境にいないのが多すぎます」
――《折れた刃、ギセラ/Gisela, the Broken Blade(EMN)》、すごいですか。
菅谷「それはもう。コントロール以外には大体サイドインしてしまいます。機体カードに対してとにかく強いのでかなり好きになりましたね」
――サイドの《先駆ける者、ナヒリ/Nahiri, the Harbinger(SOI)》はミラー用ですか?
菅谷「そうです。特に《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship(KLD)》は絶対に対処しなければなりません。そこで《先駆ける者、ナヒリ/Nahiri, the Harbinger(SOI)》を1枚入れることにしました。《断片化/Fragmentize(KLD)》で除去れないのが本当につらいんです」
――言われてみればそうですね!《解呪》がほしくなりますね。本日はありがとうございました。プロツアーがんばってください。
菅谷「がんばります!」
日々メンテナンスされていく菅谷の白赤機体。
搭乗カードの枚数やサイドボードなど、まだ調整の余地が残されているとはいえ、すでに高い完成度の菅谷のデッキ。
ぜひとも一度試してみてみてほしい。
菅谷裕信 ( LMCC2016 Top8 )
4《感動的な眺望所/Inspiring Vantage》
4《秘密の中庭/Concealed Courtyard》
4《鋭い突端/Needle Spires》
4《霊気拠点/Aether Hub》
5《平地/Plains》
3《山/Mountain》
4《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
4《模範的な造り手/Toolcraft Exemplar》
4《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》
4《経験豊富な操縦者/Veteran Motorist》
2《模範操縦士、デパラ/Depala, Pilot Exemplar》
2《ピア・ナラー/Pia Nalaar》
1《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn》
4《密輸人の回転翼機/Smuggler's Copter》
4《蓄霊稲妻/Harnessed Lightning》
3《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
1《集団的努力/Collective Effort》
1《高速警備車/Fleetwheel Cruiser》
1《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship》
1《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》
2《断片化/Fragmentize》
3《折れた刃、ギセラ/Gisela, the Broken Blade》
1《高速警備車/Fleetwheel Cruiser》
3《石の宣告/Declaration in Stone》
2《停滞の罠/Stasis Snare》
1《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》
1《先駆ける者、ナヒリ/Nahiri, the Harbinger》
1《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
1《ランタンの斥候/Lantern Scout》
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