LMC Player of the Year Race 2014に向けて by LMCカバレッジ班

”井の中の蛙大海を知らず”ということわざがある。

読者諸氏はこの意味を知っていると思うが念のため意味を書くと、

『狭い識見にとらわれ他に広い世界があることを知らない、

自身のいる場所が全てだと思い得意になっている人のこと。』だそうだ。

 

決して好意的でないこの言葉を、LMCポイントレースに当てはめてみたい。

 

草の根にはじまり、プロツアーにその道はおわる?

マジックの世界はおよそ広く、

店舗で開かれるFNMに始まり地元の公民館などで開かれるいわゆる”草の根”大会、

晴れる屋の様なショップで開かれる”ラストサン””神決定戦”もあれば

BIG-MAGICやSTAR CITY GAMESが開催する賞金制のオープン大会、

同じく賞金制であり、かつ最大参加人数を誇るグランプリ(以下GP)があり

そしてトーナメントの最高峰の大会にはプロツアーがある。


草の根大会は友達と車を相乗りするだとか電車での移動し日帰りでの参加となるが、

プロツアーは世界各国で開催されるため、移動には飛行機を使用することになる。

当然日帰りは無理なので航空券と一緒にホテルを取るのも忘れてはならない。

普段皆が参加しているイベントとは何もかもがケタ違いなのが分かってもらえるだろう。

 

さて、ではここでいち草の根大会であるLMCポイントレースの話をしよう。


Q.LMCポイントを貯めるとどうなるのか?

A.Mr LMCになれる


同時に商品としてブースターパックが提供される。以上。

オープン大会のように賞金が支払われる事はないし、

当然プロツアーへの参加資格は発生しない。

 

「俺がMr LMCだ!!」

 

と胸を張って言える、まさに”井の中の蛙”になる権利が手に入る。それだけだ。


さっきも言った通り、マジックの世界は広い。

プロツアーに参加し続ける、いわゆる”グレイビー”勢がいれば

プロツアーに出るためにGP、やプロツアー予選を梯子する”グラインダー”と呼ばれる人々もいる。

世界を見つめて動くプレイヤーたちの前では

日本のいち地域の草の根の1番になる事よりサイドボード枠のやりくりの方がずっと重要だろう。


じゃあMr LMCは無価値なんだろうか。

私はそうは思わない。なぜか?

 

話は変わるが、君がマジックを始めた時、一番最初に勝ちたかった相手は誰だろう?

ブライアン・キブラー?

ギョーム・ワフォ・タパ?

あるいは渡辺雄也?

これらの誰もが違うはずだ。

君が一番最初に勝ちたかったのは、

一緒にマジックを始めたテーブルを挟んで反対側にいる友達じゃないか?


ただ友達と楽しむだけだったマジックは地元の大会に参加することで

より一層楽しくなっただろう。それは”勝つ”喜びを覚えたからだ。

今日負けた、会ったばかりの人に明日勝つために

友達と練習し意見を交換しデッキを組み替えて……

繰り返して積み重ねて勝ちを収める事が難しくなくなってきた時、ふと思う。


「ここで一番強い人は誰だろう」


何人か候補が上がってその度に自分とどちらが強いかを比較する。

この人よりは強いはずだ、この人にはあまり勝ったことが無い……

熟慮の末導き出す結論は「自分が一番でありたい」だ。


大人数の大会ではない。

その大会にプロプレイヤーはいないかもしれない。


だからどうだと言うのか。


参加者が100人以上でないといけないのか。

強豪を打倒さなければ意味がないのか。


広大な世界から見たら小さな井戸だがそれでも目指さずにいられない。

友達よりも強いと証明したい。

お前よりも俺は強くなったと、この井戸の頂点は自分だと。


そうして成った小さな井戸のカエルに意味が、価値が無いはずがない。

 

Mr.LMC2014候補

前置きが大分長くなってしまったが、ここで今期LMCポイントレースのカエル候補を紹介しよう。


1位 ニツウ 42p

2位 イシカワ 39p

3位 マスノ 27p

4位 カンノ 24p


LMCは今期、9/28に1回とLMCCの計2回が予定されており、

それぞれで得られるポイントは最大で5点と15点であるため

トップとの差が20点以内の人間が候補となる。

残念ながら5位のクサカベ以降は来年までミスターの称号はお預けだ。

 

順当にいけばニツウ、イシカワのどちらかがミスターに輝く、と言うのが一般の見解だろう。

ではどちらが栄冠に近いかと問われれば私はイシカワの名前を上げたい。


 シーズン中ずっとトップを走ってきたニツウ、彼は1つのデッキを使い続けることで、デッキ・プレイともに練度をあげ、安定して勝利を収めるプレイヤーだと私は認識している。

 環境が定まっていない状態で練度を求めるのは難しいため、タルキール覇王譚販売直後に行われるLMCCでは彼の持ち味は生かされにくいのでは?というのが理由だ。

 

 


 

 次にイシカワだが、彼はLMCでも最も勝利に飢える津田沼を中心としたコミュニティと親交が深いらしく、練習を共にしている姿をよく見る。またMOプレイ配信をしていることか他県のプレイヤーとも交流があり、デッキをシェアしてもらっていることも。

 新環境ではこういったコミュニティの力が重要となる事も彼の名前を上げた理由の1つだ。

 

 

 

 

と言うわけで、この2人でミスター争いは終わりだ。

  

どっちが勝つかで一杯賭けよう。君はどっちだい?



――と思っている人間の首を、そしてトップ2の背中を虎視眈々と狙うのが残り2人だ。

 

 4位のカンノは台風の目になりうる。

 新セットが出るたびに面白いカードを見つけてはデッキを組む、デッキビルダー気質のプレイヤーだ。

 M15販売後は《地割れ潜み》を楽しそうにプレイしている姿が確認されている。(結局駄目だったようだが)LMCCではタルキール覇王譚の筆者一押しカード《悪逆な富》あたりで一大旋風を巻き起こしてくれると期待している。

 

 

 

 見えない、認識できないことは最大の恐怖を持つ。

 3位マスノはLMCが生んだ当代最強の幻術使いと呼ばれている。

 過去にはミスター戴冠経験があり、PTへの出場経験も複数回ある。

単純に経験と強さを考えた場合、この男がミスターになることになんらの疑問もないだろう。

 ただ最近は仕事の方が忙しいらしく、イベントへの参加が危ぶまれている。

願わくばLMCCを盛り上げてくれることを。




以上4名のオタマジャクシが覇権を争うLMCCにご注目頂きたい。

 

――最後に

オタマジャクシには無いが、カエルには手足がある。

高く険しいが登って行けば井戸の外に飛びだせるのだ。

だからこそきっと意味がある。

今年生まれるカエルが井戸から、より大きな世界に跳躍することを願って。