LMCC2014副賞~拡張アート~製作風景 その1 by 植木

みなさんこんにちは!

昨年LMCCの賞品に拡張アートを作らせていただいた植木と申します。


前回のテーロス神シリーズが光栄なことに大変なご好評を頂きましたので、調子に乗って今年もやらせていただくことになりました!


何のカードをやるのかって?


そりゃアンタ、リミテッド専用コモンとか賞品で貰って嬉しいのかい?

年に一度の祭なんだから豪勢に行かせてもらいますよ!


はい!
はい!

タルキール覇王譚の目玉と言ったらこれでしょ!

5枚無いって?

作業に入った時点では発売日前だったからしょうがないでしょ!


※なお、今回も拡張アート用のカードは全てLMC Promotersからのご提供です。


★工程その1:マスキング★

私が拡張アートを作る際には、カードのどの部分に描き足すのか、どの部分を残すのかをあらかじめ決めてから取りかかります。


今回は「トーナメントでも使える拡張アートにする!」というコンセプトで作ると決めたので、

ゲームに必要となる情報(カード名、マナコスト、テキスト…)を全て残す必要がありました。

そこで、それらを塗りつぶしてしまわぬようにマスキング処理を施します。


まずは、外の黒枠を取り囲むようマスキングテープを貼り、裏に折り返して縁を保護します。

(この時いらないカードを裏に合わせておけば、作業中に裏面に傷を付ける心配がなくなります。)


次はカード名部分に貼ります。この時使うテープは6mm幅の物を用意しておくと、カード名の枠と同じ幅なのでぴったり貼れます。

貼ったら枠の形に合わせてデザインナイフでカットしましょう。


同じく、塗らない場所にマスキングをします。

今回はテキスト部分、カードタイプ、エキスパンションシンボル、ホログラムマークを残すことにし、

テキストはボックス全体ではなく、ゲームに関係ある表記の部分のみマスキングしました。


★工程その2:下地作り★

マジックのカードデザインはM15から新しくなり、下部の黒枠部分が広くなりました。

実はこの黒枠が曲者でして、黒などの濃い色の上に絵の具を塗ると、下の色が透けてしまいます。

それを防ぐためには絵の具を厚塗りすることになり、カード自体の重さや質感に影響してしまいます。

今回目指すのはトーナメントでデッキに入れて使えるものなので、しっかりと下地処理をしたいと思います。


さてこれは何でしょう?

そう。紙やすりです。


これで…


カードの表面を直接削ります!

カード「な、なにをするやめろー」

ぼく「すまぬすまぬ」

カード「ぎゃあああああああ!!」

見るも無残な姿になってしまったフェッチランド。


本当にこれが拡張アートになるのか!?

高いカードをただの紙屑にしただけじゃないのか!?



そう、これはまだ始まりにすぎなかった。

年に一度の宴であるLMCCに花を添える、世界に一枚のカードが創り出されるその過程の…。



--つづく--