written by Yui Takagi
まずは、LMCC2013カバレッジ編集長に代わり一言申し上げます…
本当に申し訳ございませんでした!!!
今年のカバレッジ班は、責任もって初戦から最終戦まで、きっちりみなさんのもとに熱戦の模様をお届けいたします!
さて、あまりの熱気で編集長とトド1匹が倒れたLMCC2013、予選については、サッとキーワードで綴ります。
中村肇と渡辺雄也が神奈川より電撃参戦「クズ、襲来」
環境が様変わりし2週間、メタゲームが読めない相手の「見知らぬ、デッキ」
そして会場に漏れる溜め息「勝てない、環境」
初日で消滅した選手も多かった「ドロップ、逃げ出した後」
今年も三原夫妻が第9ラウンドで激突「AYA-RAY、心のむこうに」
便所掃除をかけて激突「決戦、千葉市」
結果は今年も妻の勝利「妻の願いしもの」
第2ラウンドからLMCC2012チャンプが出陣「タケダ、来日」
慣れないテーロスドラフトで「瞬間、エンチャント、重ねて」
除去しつつ占術で掘り進める「マグマジェット」
プレイミスを犯し「静止した空気の中で」
泣きながらか細い逆転トップデッキを模索する「奇跡の可能性は」
三原槙人は今年も順調に勝利を重ねベスト8に「魔王、侵入」
結局ベスト8入りしてみんなからブーイング「魔王、魂の座」
終盤になりガチろうとする相手にIDを必死で説得する「嘘と沈黙」
第12ラウンド第3ゲーム、火力のみで16点削るぴんぐぅ「死に至るツモ、そして」
ぶっころ、悲願のベスト8「四人目の進出者」
オポを計算しガチかIDかの「ギリギリの選択を」
最終ラウンド、ワンチャンスをかけてぶつかる有田vs金澤「男の戦い」
試合後の対戦相手になんと声をかければいいのか悩む「勝者のかたち 敗者のかたち」
萩原が就職後初のベスト8を決めた!「一没の帝王、誕生」
名手・宮本は安定したプレイで決勝進出「せめて、ぽぽりんらしく」
昨年ドラフト0勝の鵜沢が早々にトップ通過を決定し「涙」
中村肇は最終戦に勝ち8位で決勝進出「最後の勝者」
有田隆一は最終戦勝利もベスト8ならず「終わるトーナメント」
三原妻は第3ラウンドで萩原の赤いビートダウンを目の当たりにして「千葉の中心でファックと叫んだけもの」へ・・・
…なんだかんだあって、激戦の末に勝ち残ったのは以下の8人。
1位 鵜澤 雄一(千葉)
2位 藤本 洋介(千葉)
3位 三原 槙仁(千葉)
4位 宮本 寛弥(千葉)
5位 春日 亮祐(千葉)
6位 萩原 紀幸(千葉)
7位 諫山 夕介(東京)
8位 中村 肇(神奈川)
この時点で、LMCC開幕直前のMr.LMCレースでトップを走っていた33ポイントの岩出がベスト8進出を逃し、2位タイで28ポイントの三原と春日、4位タイの24ポイント諌山と宮本に逆転Mr.LMCの可能性が生まれています。
そして決勝進出者8人のうち5人が赤系ビートダウンの選択。
(そのほかは三原が緑黒ミッドレンジ、春日がナヤミッドレンジ、中村が黒単)
準々決勝(左が勝者)
鵜沢 - 中村
藤本 - 諌山
三原 - 萩原
宮本 - 春日
準決勝(左が勝者)
鵜沢 - 宮本
三原 - 藤本
決勝は、赤単ビートダウンを駆る鵜沢雄一と、緑黒ミッドレンジを操る三原槙人の対戦となりました。
三原はLMCC2012に続いての2年連続決勝進出。
昨年は最後の最後で敗れてしまったが、今年は忘れ物を取りに。
一方の鵜沢は魔王越えなるか。
決勝戦のカバレッジが、奇跡的に私のパソコンの片隅に残っていましたので、1年越しに死闘の模様をお届けしましょう!
LMCC2013決勝:鵜沢雄一(千葉) vs. 三原槙仁(千葉)
By 高木佑維
今年もハイランダー最後の2つの椅子には魔王が鎮座した。
強豪集う魔界でそこにたどりつくのがいかに容易くないのは誰もが知っている。
しかし、奴はあたりまえのように、今年もそこに鎮座しているではないか。
去年は思わず不覚をとってしまった。
だが、今年はきっちり獲らせてもらいます。
魔王がもう一つの椅子に座る生贄を待つ。
対する勇者は鵜沢雄一。
昨年はドラフトでまったく歯が立たず苦杯を嘗めた。
今年はドラフトで5勝1敗、スタンダードでも順調に勝利を積み重ねトップ通過。
決勝トーナメントもその勢いで準々決勝で中村(KAKAO)、返す刀で宮本(ぽぽりん)を斬り裂き決勝の椅子に手をかけた。
今日最後のマッチ。
魔王と勇者。2人の間の空気はひりついている。
機は熟した。
最後のページに記されるのは残酷な魔王の食餌か、それとも勇者の澄んだ一閃か。
Game 1
鵜沢は《火飲みのサテュロス/Firedrinker Satyr(THS)》、三原は《エルフの神秘家/Elvish Mystic(M14)》の立ち上がり。
鵜沢は先人のセオリーに習い《エルフの神秘家》を《ミジウムの迫撃砲/Mizzium Mortars(RTR)》で払い、三原のライフを狙っていく。
三原は《森の女人像/Sylvan Caryatid(THS)》を設置するが、これではパンプする《火飲みのサテュロス》を受け止められずライフは16へ。
鵜沢はさらに《火拳の打撃者/Firefist Striker(GTC)》も追加する。
一方の三原はかみ合わないなあとぼやきながら《思考囲い/Thoughtseize(THS)》。《パーフォロスの槌/Hammer of Purphoros(THS)》と《モーギスの狂信者/Fanatic of Mogis(THS)》が見え、長考の末に三原は後者を落とす。三原のライフは14。
返しの鵜沢は、《パーフォロスの槌》に《ラクドスの哄笑者》のおまけ付き!
これには三原も目を白黒に。ライフは8に落ちた。そこはもはや赤単にとってのレッドゾーン。
《漁る軟泥/Scavenging Ooze(CMD)》を出してみるものの、鵜沢は《パーフォロスの槌》で土地をゴーレムにトランスフォームさせ止めさせない!
さすがの魔王も紅い大群には抵抗しきれず、まずは鵜沢が先勝。
鵜沢 1-0 三原
Game 2
三原先手。
鵜沢はマリガン、6枚からの発進。
鵜沢は《ラクドスの哄笑者》、三原は第2ターン《森の女人像/Sylvan Caryatid(THS)》の切り出し。
鵜沢は第2ターンに《火拳の打撃者》を追加するが、呪禁の《森の女人像》を越えられない。
ライフに余裕ができ俄然生き生きしてきた三原は土地を置くと《エルフの神秘家》、マナをさらに伸ばしにかかる。
鵜沢にとって長期戦に引き込まれては終わりである。一刻も早い終止符(ピリオド)を打つため《チャンドラのフェニックス》を飛ばすが、それすらも三原が5マナをそろえると《高木の巨人/Arbor Colossus(THS)》が遮る!
鵜沢は《火拳の打撃者》の能力を《高木の巨人》に駆使し三原のライフをなんとか10にまで削るが、三原の場にライフを回復させる《漁る軟泥/Scavenging Ooze(CMD)》、さらに《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx(THS)》でマナを出しまくり《高木の巨人》を怪物化させ《チャンドラのフェニックス》を落として攻撃に回る。絶望の表情が見え隠れする鵜沢のライフは9に。
鵜沢は《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks(THS)》で巨人を縛りつけようとしたが、三原がこれを《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm(RTR)》で叩き割り万事休した。
鵜沢 1-1 三原
Game 3
マッチの行方はついに最終ゲームへ。
鵜沢がスタートダッシュから逃げ切るか。
三原がうまくやりすごして差し切るか。
鵜沢が《ラクドスの哄笑者/Rakdos Cackler(RTR)》、三原が《エルフの神秘家/Elvish Mystic(M14)》という、ともに順調なスタートダッシュ。
しかし、鵜沢の第2ターンは《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary(GTC)》2体から、三原の《エルフの神秘家》を《ショック/Shock(M14)》というニトロダッシュ!
対するみはら…たーんえんど…
ワンランドぶんまわりハンドキープが裏目に出た形となりエンストしてしまった。
あとは鵜沢のウィニングラン!さらに《灰の盲信者/Ash Zealot(RTR)》が戦場を駆け抜け、史上最速で栄光のゴールテープを切った!
鵜沢 2-1 三原
鵜沢、魔王という高い壁を打ち破りついに戴冠!
今大会、赤単で出場したプレイヤーは数多くあれど、その中でも彼は的確なキープとプレイングで勝ち進んできた。
悔しい思いをいくつにも積み重ね、自分自身の限界を打ち破り成長した結晶がここに実った。
一方の魔王も2連続準優勝とはなったものの、運の要素が絡むこのゲームで安定した成績を収め、魔王の名に恥じぬ戦いぶりを見せてくれた。これからも後に続く者たちに立ちはだかる高い壁であれ。
鵜沢雄一、おめでとう!
というわけで、鵜沢選手が優勝し、まだ殿堂じゃなかったころの三原槙人選手が2013年度Mr.LMCとなりました。
LMCC2014では、どんな祭りが見れるんだろう?
今年も熱い戦いを期待して決戦の日を待ち焦がれましょう!
コメントをお書きください