LMCC直前!スタンダードプレビュー

By Yuya Hosokawa


 ついに今週末となったLMCチャンピオンシップ。スタンダードとドラフトのジグザグフォーマットでかつ二日制と「プロツアー形式」で行われる今大会。しかも参加者達はLMC参加者の中でも上位入賞したプレイヤーのみ。右も左も、勿論正面の相手も強豪間違いなしと激戦必至だ。


 そんな強プレイヤー達が火花を散らすであろうスタンダード環境について、ざっくりとおさらいしよう。


プロツアー覇者:アブザン


 日本人によるワン・ツーフィニッシュが記憶に新しいプロツアー・戦乱のゼンディカー。今回のフォーマットはスタンダードということもあり、プロツアーによってメタゲームはある程度固まった。


 まずはタルキール覇王譚参入後から環境の中心に居座り続け、日本人に栄冠をもたらしたアブザン



【プロツアー・戦乱のゼンディカー:優勝】

プレイヤー:瀧村和幸

デッキ:アブザンアグロ


メインボード:60


2《森/Forest(KTK)》

2《平地/Plains(KTK)》

4《吹きさらしの荒野/Windswept Heath(KTK)》

4《樹木茂る山麓/Wooded Foothills(KTK)》

4《溢れかえる岸辺/Flooded Strand(KTK)》

4《乱脈な気孔/Shambling Vent(BFZ)》

2《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes(APC)》

2《梢の眺望/Canopy Vista(BFZ)》

1《燻る湿地/Smoldering Marsh(BFZ)》

1《窪み渓谷/Sunken Hollow(BFZ)》

4《始まりの木の管理人/Warden of the First Tree(FRF)》

4《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》

4《棲み家の防御者/Den Protector(DTK)》

4《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》

3《搭載歩行機械/Hangarback Walker(ORI)》

2《風番いのロック/Wingmate Roc(KTK)》

4《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》

4《ドロモカの命令/Dromoka's Command(DTK)》

4《アブザンの魔除け/Abzan Charm(KTK)》

1《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》


サイドボード:15

3《精神背信/Transgress the Mind(BFZ)》

3《絹包み/Silkwrap(DTK)》

2《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》

2《強迫/Duress(DTK)》

2《究極の価格/Ultimate Price(DTK)》

1《風番いのロック/Wingmate Roc(KTK)》

1《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor(KTK)》

1《自傷疵/Self-Inflicted Wound(DTK)》


 戦乱のゼンディカー加入後も変わらずに支配的な強さを見せている《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》

 

 「占術ランド」を失ったことにより、マナフラッドおよびスクリューの緩和が出来なくなったものの、その代わりにタップインが非常に少なく、アグロらしく早いターンから確実に脅威を展開し続けていくことが可能となった。そう、タップインを徹底的に排除したこのデッキには《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel(KTK)》が1枚たりとも入っていない。

 

 《始まりの木の管理人/Warden of the First Tree(FRF)》はこのフェッチ・バトルランド環境でようやく日の目を浴びたカードだ。1ターン目に占術ランドを置きたかった前の環境では、能力の起動が3ターン目以降となり、1ターン目に出せる3/3クリーチャーとしての強さを存分には発揮できていなかった。だが今は、1.2ターン目に基本地形を出すことがマナベースの安定に一役買うことになるため、気兼ねなく2ターン目に3/3で攻撃できるようになったのだ。

 

 アブザンアグロの強さは、どんな相手とも対等以上に戦えるカードパワーの高さとスピード、そしてゲームプランをある程度変えることができる柔軟性にある。

 

 一般的に相性が悪いとされる後述のジェスカイブラックにも、マナカーブ通りに1マナ、3マナ、4マナ、5マナと展開してしまえばそれだけでゲームに勝利出来てしまう。個々のカードパワーが高く、また軽いカードで構築されているため、引きムラが少ない上に早いのだ。昨今はコントロールデッキは弱くなった、といわれる所以である。

 

 そしてビートダウンデッキにも関わらず入っているそれぞれのカードが強い、つまり後半にも戦えるということは、早いデッキ相手にコントロール側としても立ち回れるのだ。それでも最低限のスピードは失われておらず、ビートダウン側が少しでも出遅れてしまえば、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》であっという間にマウントを取ってしまう。まさに王者と呼ぶにふさわしい。

 

 

 アブザンが、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》が、相変わらず猛威をふるっているということを再認識してもらえたところで、そろそろ話を移そう。

 

最強の対抗馬:ジェスカイ


 プロツアー後、最初に行われたグランプリでトップ8に4人を送り出したこのデッキ以外に、アブザンの対抗馬はないだろう。




【GRAND PRIX QUEBEC CITY:優勝】

プレイヤー:DANIEL LANTHIER

デッキ:ダークジェスカイ


メインボード:60


2《山/Mountain(KTK)》

1《沼/Swamp(KTK)》

1《平地/Plains(KTK)》

1《島/Island(KTK)》

4《神秘の僧院/Mystic Monastery(KTK)》

4《溢れかえる岸辺/Flooded Strand(KTK)》

4《汚染された三角州/Polluted Delta(KTK)》

4《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire(KTK)》

2《大草原の川/Prairie Stream(BFZ)》

1《窪み渓谷/Sunken Hollow(BFZ)》

1《燻る湿地/Smoldering Marsh(BFZ)》

1《遊牧民の前哨地/Nomad Outpost(KTK)》

4《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》

4《カマキリの乗り手/Mantis Rider(KTK)》

3《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》

2《魂火の大導師/Soulfire Grand Master(FRF)》

1《竜使いののけ者/Dragonmaster Outcast(BFZ)》

1《龍語りのサルカン/Sarkhan, the Dragonspeaker(KTK)》

4《はじける破滅/Crackling Doom(KTK)》

3《焦熱の衝動/Fiery Impulse(ORI)》

3《オジュタイの命令/Ojutai's Command(DTK)》

2《コラガンの命令/Kolaghan's Command(DTK)》

2《乱撃斬/Wild Slash(FRF)》

2《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》

2《払拭/Dispel(BFZ)》

1《完全なる終わり/Utter End(KTK)》


サイドボード:15


2《影響力の行使/Exert Influence(BFZ)》

2《アラシンの僧侶/Arashin Cleric(FRF)》

2《強迫/Duress(DTK)》

2《焙り焼き/Roast(DTK)》

2《光輝の炎/Radiant Flames(BFZ)》

1《フェリダーの仔/Felidar Cub(BFZ)》

1《竜使いののけ者/Dragonmaster Outcast(BFZ)》

1《悪性の疫病/Virulent Plague(DTK)》

1《否認/Negate(DTK)》

1《苦い真理/Painful Truths(BFZ)》



 プロツアー・戦乱のゼンディカートップ8にも二人を送り込んだChannelFireball Pantheon謹製のダークジェスカイ。プロツアー時にはアタルカレッドでトップ8に残った殿堂の Paulo Vitor,Damo Da Rosaもグランプリではダークジェスカイを使用して12勝3敗の好成績だったことを考えると、今最もスタンダードでベストなデッキはダークジェスカイなのかもしれない。


 ジェスカイというデッキの最大の弱点は確定除去の少なさだった。《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》を葬る手段が今まで《勇敢な姿勢/Valorous Stance(FRF)》しかなかったジェスカイは、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》を出されるだけでただ苦しかった。だがそれは、バトルランドで黒を容易に出せるようになったことで、過去の悩みとなった。


 《はじける破滅/Crackling Doom(KTK)》は、確定除去を欲し、またライフを積極的に削りに行きたいジェスカイとぴたりと合致した。ほぼ除去したいカードを確実に葬ることの出来る《はじける破滅/Crackling Doom(KTK)》によりジェスカイは――いや、ダークジェスカイは、コントロール力の高いデッキとなった。《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》と軽い除去、そして《はじける破滅/Crackling Doom(KTK)》を前にビートダウンは死滅し、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》と《カマキリの乗り手/Mantis Rider(KTK)》は時間をかけることなくライフをもぎ取る。

 

 《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》ほど《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》へのプレッシャーになるカードはその本人を除けば、《カマキリの乗り手/Mantis Rider(KTK)》ぐらいしかないだろう。アブザン側は《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》を抜かざるを得ないほどのギデオンキラー、それがダークジェスカイだ。

 

 環境の覇者として当初名乗りをあげたアブザンにも、《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》の除去されにくさとコントロール力の高さから相性が比較的良く、事実、GRAND PRIX QUEBEC CITYではトップ8にアブザンが1人しか残っていない。

 

 ビートダウンとミッドレンジを粉砕するコントロール力を持ち、4色ゆえに様々なサイドカードを採ることのできるダークジェスカイは、そのグランプリの活躍も相まって、最強のデッキなのではないか、と言われるようになった。

 

永遠の伏兵:アタルカレッド


 コンボ要素も併せ持つ最強のビートダウン、アタルカレッドは、ダークジェスカイの影響でその数を減らしているといっても良い。



【プロツアー・戦乱のゼンディカー:優勝】

プレイヤー:PAULO VITOR,DAMO DA ROSA

デッキ:アタルカレッド


メインボード:60


8《山/Mountain(KTK)》

1《森/Forest(KTK)》

4《樹木茂る山麓/Wooded Foothills(KTK)》

4《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire(KTK)》

2《吹きさらしの荒野/Windswept Heath(KTK)》

2《燃えがらの林間地/Cinder Glade(BFZ)》

4《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》

4《鐘突きのズルゴ/Zurgo Bellstriker(DTK)》

4《ケラル砦の修道院長/Abbot of Keral Keep(ORI)》

2《稲妻の狂戦士/Lightning Berserker(DTK)》

4《タイタンの力/Titan's Strength(ORI)》

4《ドラゴンの餌/Dragon Fodder(DTK)》

4《アタルカの命令/Atarka's Command(DTK)》

3《乱撃斬/Wild Slash(FRF)》

3《ティムールの激闘/Temur Battle Rage(FRF)》

3《強大化/Become Immense(KTK)》

2《焦熱の衝動/Fiery Impulse(ORI)》

2《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》


サイドボード:15


3《カラデシュの火、チャンドラ/Chandra, Fire of Kaladesh(ORI)》

3《引き裂く流弾/Rending Volley(DTK)》

3《焙り焼き/Roast(DTK)》

2《焦熱の衝動/Fiery Impulse(ORI)》

2《軍族童の突発/Hordeling Outburst(KTK)》

1《沸き立つ大地/Boiling Earth(BFZ)》

1《稲妻の狂戦士/Lightning Berserker(DTK)》


 《ティムールの激闘/Temur Battle Rage(FRF)》《強大化/Become Immense(KTK)》の瞬殺コンボを搭載した赤アグロ。トークンを並べて《アタルカの命令/Atarka's Command(DTK)》など、攻撃の方法が多彩で、相手は速やかな対処を迫られる。除去を構える余裕がないことも多いために必殺コンボは思いのほか決まる。

 

 だがダークジェスカイが1マナ火力を4~5枚もデッキに入れているとなると話は別だ。《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》以外はいつでも2点を喰らってしまうために中々コンボを仕掛けづらい。その上、ダークジェスカイは入っているカードが軽く、インスタントも多いためにフルタップの状態でターンが帰ってくることはほとんどない。

 

 それゆえにコンボは封殺され、そもそもクリーチャーは《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》と《カマキリの乗り手/Mantis Rider(KTK)》の前に完全にシャットダウンされてしまう。受けに回った時の脆弱さは赤アグロの特徴でもある。マウントを取られたが最後、まくる手段はほとんど残っていない。

 

王者の体現:エスパーコントロール


 勿論、ダークジェスカイにも弱点がないわけではない。《はじける破滅/Crackling Doom(KTK)》も《焦熱の衝動/Fiery Impulse(ORI)》も効きづらくて《カマキリの乗り手/Mantis Rider(KTK)》もすぐに除去することができる。そんなダークジェスカイの両翼をもぎ取るデッキが、最新のグランプリで2つトップ8に勝ち残った。


 それらは、奇しくもまったく同じカラーのデッキだった。




【GRAND PRIX INDIANAPOLIS:トップ8】

プレイヤー:PATRICK CHAPIN

デッキ:エスパーコントロール


メインボード:60


3《島/Island(KTK)》

1《平地/Plains(KTK)》

1《沼/Swamp(KTK)》

4《汚染された三角州/Polluted Delta(KTK)》

4《溢れかえる岸辺/Flooded Strand(KTK)》

1《吹きさらしの荒野/Windswept Heath(KTK)》

1《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire(KTK)》

3《大草原の川/Prairie Stream(BFZ)》

3《窪み渓谷/Sunken Hollow(BFZ)》

3《乱脈な気孔/Shambling Vent(BFZ)》

2《魔道士輪の魔力網/Mage-Ring Network(ORI)》

1《精霊龍の安息地/Haven of the Spirit Dragon(DTK)》

4《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》

1《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar(DTK)》

2《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon(FRF)》

4《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》

3《オジュタイの命令/Ojutai's Command(DTK)》

2《意思の激突/Clash of Wills(ORI)》

2《否認/Negate(DTK)》

2《予期/Anticipate(DTK)》

2《完全なる終わり/Utter End(KTK)》

2《次元の激高/Planar Outburst(BFZ)》

2《究極の価格/Ultimate Price(DTK)》

1《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》

1《シルムガルの命令/Silumgar's Command(DTK)》

1《手酷い失敗/Horribly Awry(BFZ)》

1《正義のうねり/Surge of Righteousness(DTK)》

1《風への散乱/Scatter to the Winds(BFZ)》

1《神聖なる月光/Hallowed Moonlight(ORI)》

1《衰滅/Languish(ORI)》


サイドボード:15


3《強迫/Duress(DTK)》

2《アラシンの僧侶/Arashin Cleric(FRF)》

2《僧院の導師/Monastery Mentor(FRF)》

2《払拭/Dispel(BFZ)》

1《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar(DTK)》

1《苦い真理/Painful Truths(BFZ)》

1《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai(DTK)》

1《正義のうねり/Surge of Righteousness(DTK)》

1《無限の抹消/Infinite Obliteration(ORI)》

1《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》



 アメリカの名手、殿堂のPatrick Chapinといえばコントロールフリークとして知られているが、このエスパーコントロールはコントロール好きならば垂涎物のリストではないだろうか。カウンター、除去、アドバンテージカード、そして数を絞ったフィニッシャー。ザ・コントロール。王者のマジックを体現したデッキだ。


  これだけの除去が入っていれば《カマキリの乗り手/Mantis Rider(KTK)》、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang(FRF)》に苦戦を強いられることはあまりないだろう。更にほとんどクリーチャーを採用していないため、ダークジェスカイの除去も効きづらい。しかも、サイドボード後も相手は《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》を意識しなくてはならないため、他にはほとんど効くことのない《焦熱の衝動/Fiery Impulse(ORI)》を抜くことが出来ないのだ。








構造的な強さ:エスパートークン


 Chapinはデッキをほぼノンクリーチャーのコントロールデッキにすることでダークジェスカイを克服した。一方、Raymond Perezは、まったく別のアプローチで準優勝まで上り詰めた。




【GRAND PRIX INDIANAPOLIS:準優勝】

プレイヤー:RAYMOND PEREZ

デッキ:エスパートークン


メインボード:60


4《平地/Plains(KTK)》

3《沼/Swamp(KTK)》

4《乱脈な気孔/Shambling Vent(BFZ)》

4《汚染された三角州/Polluted Delta(KTK)》

4《溢れかえる岸辺/Flooded Strand(KTK)》

3《コイロスの洞窟/Caves of Koilos(9ED)》

2《大草原の川/Prairie Stream(BFZ)》

1《窪み渓谷/Sunken Hollow(BFZ)》

1《磨かれたやせ地/Scoured Barrens(KTK)》

4《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》

4《搭載歩行機械/Hangarback Walker(ORI)》

3《風番いのロック/Wingmate Roc(KTK)》

4《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》

2《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor(KTK)》

1《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited(BFZ)》

4《絹包み/Silkwrap(DTK)》

3《荒野の確保/Secure the Wastes(DTK)》

3《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》

2《苦い真理/Painful Truths(BFZ)》

2《完全なる終わり/Utter End(KTK)》

1《破滅の道/Ruinous Path(BFZ)》

1《究極の価格/Ultimate Price(DTK)》



サイドボード:15


3《強迫/Duress(DTK)》

3《正義のうねり/Surge of Righteousness(DTK)》

2《払拭/Dispel(BFZ)》

2《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke(KTK)》

1《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar(DTK)》

1《究極の価格/Ultimate Price(DTK)》

1《衰滅/Languish(ORI)》

1《否認/Negate(DTK)》

1《対立の終結/End Hostilities(KTK)》


 

 トークンを出すことに特化したエスパートークンデッキ。《はじける破滅/Crackling Doom(KTK)》やショックでクリーチャーが除去されることなど痛くもかゆくもない構成になっている。

 

 クリーチャーが除去されることで不利益をこうむることがないこのデッキでは、対戦相手の《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》に変身されることがそれほど辛くないというのが実は大きい。

 

 何せ墓地にある除去を使われたところで、所詮はこちらはプレインズウォーカーで出すトークンだったり、1枚のカードで複数枚出たトークンのうちの1体がいなくなるだけなのだ。相手は手札からカードを使っていないが、それはこちらも同じこと。更にクリーチャーが横に並ぶため、プラス能力にも少し耐性がある。

 

 ほぼノンクリーチャーデッキのエスパーコントロールも《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》による除去の使いまわしが効きづらいという点では同じだが、コントロールの場合は、そもそも相手の《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》に干渉する手段が限られていて、あっさり奥義に辿り着かれてしまうこともある。エスパートークンは《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》にも強い。つまり、ダークジェスカイの強みをすべて封殺していると言って良い。


 このように、たくさんのプレイヤーがダークジェスカイを意識した構築を行った結果、なんとGRAND PRIX INDIANAPOLISではダークジェスカイはトップ8に0人


 そしてこのグランプリの優勝はなんとアブザンアグロ。それもメインボードは瀧村がプロツアーで優勝したものとまったく同じという驚きの結果に。


 最強と名高いダークジェスカイ不在の中、プロツアーでは活躍することのできなかった赤緑上陸ビートダウンやアブザンに緑白ビートダウンの座を明け渡していた緑白タッチ青大変異など、多種多様なアーキタイプがトップ8に勝ち残ったGRAND PRIX INDIANAPOLIS。


 スタンダード環境が毎週、いや毎日、それどころか毎時間進んでいると実感させられるほど、目まぐるしく状況が変わっていく。


 そんな中、強豪揃いのLMC勢、そしてプロプレイヤー達の選択するデッキとは? 


 その答えは、LMCチャンピオンシップで。