悪い子はいねが～！　台パンする子はいねが～！

―　LMC秋田　トーナメント事情　―

Written by Yui Takagi

マジック・ザ・ギャザリングを継続してプレイしていくには、ぶっちゃけ要素や環境がそろっていることが必須である。

たとえば、休暇のタイミングや数。

たとえば、自由に使えるお金。

たとえば、家族の理解。

そして何よりも大事なのが、近所に多くのデュエリストが集うコミュニティがあるかどうか。

あるものは進学を機に、あるものは就職を機に、あるものは結婚を機に、トーナメントから足が遠ざかって行った。

私も、今の嫁と同居してからLMCに行けたのは年に1回、LMCCの日だけだ。

さて、ここにも過去に転勤という大きな節目を迎えたデュエリストがいた。

2012年。岡本誠裕（a.k.a嶺上）は秋田県に勤務地が変更となり、慣れ親しんだ関東を余儀なく離れることとなった。

千葉市から北にはるばる６００㎞。

知らない風習、理解しがたい方言、厳しい寒さに重い雪。

その文化に慣れ親しむにはそれなりの覚悟と時間が必要だったろう。

今でこそマジック・オンラインという便利ツールがあるものの、やっぱ醍醐味はリアルマジック…といっても北の国では関東と同じ感覚ではいかない。

常人のアプローチならば、どこにコミュニティがあるかネットで調べ、とりあえず遠いことは覚悟して遠征、無理ならマジック・オンラインで我慢する。

しかし、彼はあえて異なるアプローチをとった。

……ないんだったら、つくっちまおうかな……

2012年11月25日。

秋田の地でLMCの胎児が産声を上げた。

初回にもかかわらず27人もの参加者が集い、トーナメントは盛況のうちに閉幕。

その後は月に1度のペースで定期的に会を重ねていき、すでに35回を数えた。

2014年にはLMCCに初めてLMC秋田予選通過者（今野皇星）を送り込み、そして今年は4名ものプレイヤーを送り込む予定である。

すくすくと胎児はその地で育っている。

今回、メールを通じて主催の岡本氏に現状のLMC秋田の様子をインタビューすることが出来た。

――まず、そもそも秋田の地でLMCを始めようと思った動機はなんですか？

岡本「秋田には終日遊べるマジックの大会がなく、シングルエリミの決勝トーナメントもマイナーでした。秋田の広い層に、競技マジックを身近に感じ参加してもらいたいこと、終日遊べる場を提供することを目的としてLMC秋田を立ち上げました。」

――じゃあ、まずは秋田初心者の私に秋田のことを教えてほしいんですが、美味しいものは何がありますか？

岡本「春の山菜と冬のはたはたが有名です。また、比内地鶏のきり○んぽなべや、だだみ（タラの白子）など、各季節の味覚がてんこもりです。はたはたの魚醤であるしょっつるも秋田ならではの味です。

米どころなので、日本酒もたくさんあって迷ってしまいます。高清水、刈穂六舟、秀吉、などなど。

是非一度、秋田のおいしい郷土料理を食べにきてください♪」

――ぜひ行きます♪　では、その際秋田に行ったらおさえるべき観光地を… 

――ほほう。見どころいっぱいですなあ…行ってみて驚いた、秋田独特の習慣とかあります？

岡本「結構な雨が降っていても傘をささないところでしょうか。

あと真冬になると気温０℃程度では「なんだか今日はあったかいね」と言いますね～」

――秋田美人っていいますけど、ぶっちゃけマジで美人なんですか！？

岡本「色白の美人が多いと思います。特に冬の間は日照がほとんどなく、また雪のせいで湿度がそこまで低くならないため、お肌が綺麗なおねーさんがたくさんいます。お母さん世代もみなさん美人ですよ。」

――いま調べたら秋田の女性は身長全国1位、バストのサイズが全国3位なんですね！うふふ…ますます行きたくなっちゃいます！では本題に入りますが、秋田県のマジック事情を教えてください

岡本「秋田県は広いですが、デュエルスペースが県内に数軒しかありません。広大な秋田を車で50～100km移動し、大会に参加します。また、LMCのように常時シングルエリミがあるような大会は他にありません。

レギュレーションは、やはりスタンダードが人気ですが、EDHも根強く人気があります。千葉勢のようにドラフトジャンキーがたくさんいるわけではないので、ドラフト卓が連立するような環境ではありませんね。」

――ありがとうございます。LMC秋田当日の様子はどんな感じですか？」

岡本「10時半くらいからプレイヤーが集まりだして、11時から一回戦開始します。最近は、安定して20人前後の参加者が集まってくれて、スイス5回戦+決勝シングルエリミネーション3回戦が成立します。LMC秋田本戦のスイスラウンドが終わる頃、大体16時くらいからサイドイベントのドラフトが一卓立つかどうか、といった具合です。それ以外の方はEDHをやったり、フリーデュエルなどをされています。本戦には参加できなかったけれど、夕方から会場に来てドラフトしたり、フリーで遊ぶ人もいらっしゃいます。

ほとんどの方が車で来場されるので、駐車場の確保が切実です。

秋田のプレイヤー人口はとても少ないので、LMC秋田常連はお互いがほとんど顔なじみです。でも、あんまり煽りあったりはしませんね。

近隣では、山形、岩手などからもプレイヤーがきてくれることがあります。秋田県在住の方は、県内各所から広く遊びに来てくれているようです。

たまに新規の方がくると、みなさん優しく接したり、説明などをしてくれています。」

――サイトを拝見しましたが、LMC秋田以外にも近隣トーナメント情報も満載で、秋田だけでなく東北一丸で盛り上げていこうという気概を感じました。では最後に、今年千葉に乗り込んでくる秋田の生きのいいデュエリストを嶺上さんからお願いします！

岡本「では、今年LMCCに参加する4名の刺客を紹介しましょう」

千葉と秋田。

距離は離れているし、文化も全く異なる街だが、今後お互いの交流がさらに深まりますように！

そして来年度は来てもらうばかりじゃなく、千葉勢でLMC秋田に遠征して、秋田のおいしいところを満喫しようかなと考えているのだった。