Written by Yui Takagi
LMCCで採用される「戦乱のゼンディカー ブースタードラフト」をテーマに記事を書くことになったが、戦略についてはいくらオレがドラフトジャンキーだからといって、歴戦のプロ達が語る方が説得力は10倍も100倍もある。
なので、この記事は「忙しい人でも始められる戦乱のゼンディカー ブースタードラフト」として
・採用されているメカニズムはどんなの?
・戦乱のゼンディカーはどんな環境か?
・どんなアーキタイプがあるか?
を簡潔に記するにとどめる。
観戦するための知識にするもよし、一夜漬けで本番のドラフトに生かすもよし。
ざっと読んで環境の大まかなイメージを掴めたらこの記事は大成功だ。
本気でこの環境を勉強したい奴は参考文献を以下に示すので読むといい。
◆行弘賢のよくわかる!リミテッド講座
・第7回:『戦乱のゼンディカー』発売直前!新環境ドラフト攻略
(MTG公式より http://mtg-jp.com/)
◆【翻訳】プロツアーチャンプによる『戦乱のゼンディカー』ドラフトアーキタイプ解説
by Joel Larsson
(《MTG 海外の監視者/Oversears》より http://mtgoversears.com/)
・欠色編(http://mtgoversears.com/post-1948/)
・緑黒サクリファイス、同盟者編(http://mtgoversears.com/post-2000/)
・赤緑上陸、青白覚醒、青緑収斂編(http://mtgoversears.com/post-2036/)
◆トップコモン・アンコモンと7つのドラフトアーキタイプ(英語)
by Jason Chung
(mintmtgcardより http://www.mtgmintcard.com/)
◆what we need -BFZドラフトクイックレビュー
by 金民守
(晴れる屋より http://www.hareruyamtg.com/)
採用されているメカニズムはどんなの?
「戦乱のゼンディカー」は、ゼンディカーの人々 vs エルドラージの戦いをテーマにしている。
ゼンディカー側のメカニズムは「覚醒」「上陸」「同盟者」「収斂」
一方のエルドラージ側のメカニズムは「欠色」「嚥下(をはじめとした追放メカニズム)」「昇華者」
まずはどんなメカニズムがあるのか把握していこう。
【覚醒】
インスタントやソーサリーの持つ能力で、テキスト内に明示されている覚醒コストを支払うと、通常の呪文効果に加えて自分の土地が速攻を持つ無色のエレメンタル・クリーチャーになる。
《掴み掛かる水流/Clutch of Currents》は相手の1体を手札に返し自分の場に1体の速攻クリーチャーが加わるわけで、コモンながらフィニッシュブローになりうる。覚醒で土地が転がってきて負ける可能性は考えておこう。なお、同じ土地クリーチャーに覚醒を重ね掛けしてサイズを大きく育てることもできる。
【上陸】
前作のゼンディカーブロックでもお馴染みなのでご存じの方も多いだろう。上陸が多く含まれている場合は上陸誘発を多く起こすために土地を多めに入れることが肯定される。
【同盟者】
こちらも前作「ゼンディカーブロック」でお馴染み。ただ、今回の同盟者は他の同盟者が出たらなにがしのキーワード能力をみんなに与えるのがほとんどで、カウンターが載って育つ同盟者はほとんどいない。
【収斂】
できるだけカラフルにマナを使用すると効果がでかくなる。
当然効果的に使用するためには、それなりのマナベースを要する必要がある。
【欠色】
青、黒、赤のカードの一部には、マナコストにその色が含まれているにもかかわらず無色扱いになるカードが含まれている。
ゼット内には無色であることでボーナスを得ることができるカードがいくつかあるので、固めてピックする戦略が有力。セット内にはあまりないので意識するシーンは少ないが、プロテクションは欠色のまえでは機能しない。
【嚥下(と、追放メカニズム)】
攻撃が通ると対戦相手のライブラリートップを追放していく。
また、嚥下とは書かれていないが、呪文の効果でカードを追放するものが多く含まれている。なぜ追放がこんなにセット内に多いのかというと…
【昇華者】
追放領域にあるカードを墓地に戻すことでボーナスを得るカードがあるから。
1枚戻すのならなんとかできるが、2枚戻すのは結構難しい。
戦乱のゼンディカーはどんな環境か?
詳しくは冒頭で紹介した参考文献を読んでみていただきたいのだが、これらをまとめてみると…
・このエキスパンションは2色の組み合わせにテーマを与えており、ある程度はアーキタイプに沿ったピックが主軸になる。(ただ、行弘賢によると属さないデッキでも全然いけると)
・序盤のカードが弱いので先行逃げ切りが難しい
・エルドラージや上陸、覚醒というメカニズムもありデッキに土地は18枚以上投入することが多い
・ロングゲームになることが多いので、タッチカラーでボム投入もすすめられる
どんなアーキタイプがあるか?
では、2色の組み合わせでアーキタイプをあげてみよう。
冒頭に挙げたプロの記事を参考に、私の独断で意識すべきと考えるアーキタイプを先に記載するようにした。
完成形をなんとなくイメージしてドラフトに臨んでいただければ幸いである。
【赤青欠色】
赤と青の欠色カードをひたすらかき集めて欠色シナジーで戦う。
青はこの環境強すぎて嚥下や昇華者をある程度他の人にも取られるが、このデッキの美味しいところは欠色がそろってないとおいしくないパーツも多いので遅い順目にも強力な欠色専用パーツが期待できるところ。
このデッキはパックを開ける前から想定しておいたほうがよいと考え最初においた。
【白黒ライフゲイン型同盟者】
同盟者はこの環境で3パターン推奨されているが、このタイプだけ特殊で、ゲインライフをきっかけに強力なボーナスが得られる。
このデッキのパーツには同盟者でない人や、デッキがライフを得ない人が触りたくないパーツが多いので、固め取りが期待できる。
(ただ、専門的すぎて死にピックになることも多し)
《カラストリアの癒し手/Kalastria Healer》を見たらこのデッキのことも思い出せるように。
【青黒嚥下】
やることは単純で、嚥下や呪文で追放領域をため、昇華者で美味しくいただく。
青も黒も強くきっちり取れれは強力なデッキになるが、このコンセプトは多くの人が狙っておりパーツの取り合いになって中途半端デッキになるリスクがある。。
【緑黒トークン】
エルドラージ・末裔トークンを横に並べていっせいに強化して勝利したり、生贄に捧げてボーナスを得たり、重いエルドラージを叩きつけたりする、コントロール寄りのデッキ。序盤を支えるカードには専門的なパーツが多いので邪魔されにくいだろう。
【赤白同盟者ビート】
同盟者というより、多くのプロプレイヤーが、最近赤系ビートダウンを推奨しているので紹介。
赤の上陸《マキンディの滑り駆け/Makindi Sliderunner》《ヴァラクートの捕食者/Valakut Predator》、中堅サイズの同盟者《オンドゥの勇者/Ondu Champion》《髑髏砕きの補充兵/Shatterskull Recruit》で攻めたてる。
ビートダウンだが上陸と重めのクリーチャーなのでデッキ含有の土地は多めになる。
土地が多く並んだら《ヴァラクートの発動者/Valakut Invoker》も生きてくる。
【赤緑上陸】
序盤から上陸クリーチャーを出して、あとは土地を置きながら殴る。
当然このデッキは土地を多く含有する必要がある。土地が並んだあとのマナ活用(発動者や重量級クリーチャー)も必要だろう。
後手が厳しいのは昔から。飛行が止めにくいのも昔から。
【青白フライングビートダウン】
序盤は飛行クリーチャーでしばいていき、覚醒カードでけりをつけるデッキ。
青いパーツは取り合いになってしまうかもしれない。
また、ビートダウンなのに覚醒を使う関係で土地を少し多めにする必要があり、フラッドするとそれを活用しきれないかも。
【緑青収斂エルドラージ】
収斂を生かすとともに、タッチカラー重量級ボムやエルドラージを発射するデッキ。
当然、健全な収斂デッキには健全なマナ基板を宿す必要があるので、マナ関連カードを優先していく。収斂はあとからやってくるだろう。
【黒赤欠色】
欠色のカードをメインに軽量の尖ったカードを詰め込む。
ひたすら先行逃げ切りになることが多い。
【緑白同盟者】
これも同盟者カラーなのだが、もはや2色だとウリがよくわからない。
緑ベースで3色以上に手を伸ばすほうがいいのかも。
というわけで、簡単ながら戦乱のゼンディカードラフト環境について述べさせていただきました。
色別のベストカードについてはアーキタイプで変化することが多いので割愛します。
冒頭の参考文献を読んでプレイアブルカードを大まかにつかんでください。
みなさんのMO生活、サイドイベント生活、そしてPPTQ生活に幸あれ!
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