Round4:「磨かれた牙、研がれた爪」小堺透雄(神奈川)  vs. 奥田賢史郎(千葉)

By Yui Takagi

2015年度LMCポイントレースの先頭を走る奥田は、逃げるものとしてはあまり例のないLMCC開幕3連勝の順調な滑り出し!

4ラウンドでぶつかるのは、古豪・小堺。

とにかく野球もマジックも赤いものには目がない男で、宗教法人「晴れる屋真理教」では赤い魔導書で優勝したばかりに「モダンの現人神」として崇拝された過去を持つ。

 

 

Game 1

先手は奥田。小堺はマリガンで手札が6枚になり、さらにこの手札も悩んで悩んで苦悩の末キープを宣言。

 

小堺は2ターン目、フルタップで《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy(ORI)》をプレイ、これを奥田が《シルムガルの嘲笑/Silumgar’s Scorn(DTK)》するが、勢い余って見せなくてもよかった《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai(DTK)》を見せつけてしまう。

その後はお互いしばし土地を並べあい、小堺が第4ターンのエンドに《跳ねる混成体/Bounding Krasis(ORI)》を加えて盤面に活を入れる

奥田「ほう…こんなものもあるのか…」

小堺は《凶暴な拳刃/Savage Knuckleblade(KTK)》も追加しようとするがこれは《シルムガルの嘲笑》ではねのけられる

小堺「あ~ドラゴンもってたか~」

奥田「持ってましたねえ~」

…とんだ茶番である。奥田は満を持して《龍王オジュタイ》

小堺はこのスキに《凶暴な拳刃》を送り出すが、これが返しに《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar(DTK)》される。さすがにこれはたまらんと《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》するが、続く奥田のターンで2番目の《龍王シルムガル》が追加される。小堺は3マナを残しておりテンポと盤面の事情からしばし考えるが、さすがに対象になった《凶暴な拳刃》を手札へ。テンポでリードした奥田の《龍王オジュタイ》の爪が小堺のライフは8へ落とす。

 

小堺は《氷瀑の執政/Icefall Regent(DTK)》で《龍王シルムガル》を寝かせ攻撃。奥田のライフも5のレッドゾーンとなりここからは一撃が勝負を決めかねない緊張感のある局面に。

奥田は《龍王アタルカ/Dragonlord Atarka(DTK)》で《氷瀑の執政/Icefall Regent(DTK)》を葬る。驚く小堺。これで奥田の場には3体の龍王。

小堺は2枚目の《氷瀑の執政》で《龍王アタルカ》を寝かせるも返しの奥田が繰り出したのは《龍王ドロモカ/Dragonlord Dromoka(DTK)》!なんかよくわからんがリーチ!

大変盤面の空中が混雑してまいりました…着陸は管制官の指示に従ってください!

まずは奥田ドラゴンズ、一発攻勢で小堺カープを粉砕!

 

小堺 0-1 奥田

 

デッキは小堺が鹿島謹製(Who isでおなじみの鹿島)のダークティムール、一方の奥田が5色ドラゴンデッキ。

特に奥田は一見ファンデッキぽい一面もあるが、なにせこのデッキはLMCC開幕3連勝である。弱いデッキなはずがない。

Game 2

小堺はまず第3ターンに《凶暴な拳刃》、続いて《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》と繰り出すがこれを《引き裂く流弾/Rending Volley(DTK)》《意思の激突/Clash of Wills(ORI)》で散らされる。逆に奥田に《雷破の執政》を出される。小堺はエンドに《狩猟の統率者、スーラク/Surrak, the Hunt Caller(DTK)》という機動力を生かし反撃に出る。しばし動きはなく殴り合うが当然この11で殴り値が高いのは小堺なわけで、ようやく5枚目の土地が引けた奥田が《龍王オジュタイ》を送り出したものの小堺の《自傷疵/Self-Inflicted Wound(DTK)》ではねのけられるとあっという間に勝負はイーブンに。

 

小堺 1-1 奥田

 

小堺「《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》もはいってるの!?」

奥田「ドラゴンデッキですから…」

Game 3

まずは小堺が《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic(KTK)》を通す。

3ターン動きのない奥田に対し、小堺は《凶暴な拳刃》をそろりと通す。奥田はエンドに《龍詞の咆哮/Draconic Roar(DTK)》を《爪鳴らしの神秘家》に放つがこれは獰猛な《頑固な否認/Stubborn Denial(KTK)》に阻まれる。しかし《引き裂く流弾》は阻めず《凶暴な拳刃》が墓地へ。

小堺は2枚目の《凶暴な拳刃》を投入、これが無事通るのを確認すると速攻で奥田を急襲。奥田はエンドにフェッチを起動して残りライフが12に。

受け手の奥田は《自傷疵》を放ちこれが《爪鳴らしの神秘家》と交換される。

小堺は《凶暴な拳刃》で奥田のライフを8にするが動きがない。

一方の奥田は動かない。5マナで構える奥田に小堺は訝しみ、しばし邂逅。いったい何を狙っている?

《凶暴な拳刃》の攻撃はすんなり通り奥田は残りライフ4となる。

もしかして、何もないのか…いや、奥田が送り出したのは《漂う死、シルムガル/Silumgar, the Drifting Death(FRF)》。龍王のほうではない。

タフネス7、呪禁…見た目はなんとか押しとどめている。問題は小堺の赤い部分が火を噴くか。

小堺は《宝船の巡航/Treasure Cruise(KTK)》で引き増し。しかし《爪鳴らしの神秘家》のみにとどまりこれを《龍詞の咆哮》で退ける。残ったライフを絞られるわけにはいかない。奥田は《龍王オジュタイ》も追加!小堺は《跳ねる混成体》をエンドに出していくが呪禁コンビを越えられない。《自傷疵》も《シルムガルの嘲笑》で成就しない。

 

小堺11、場に《跳ねる混成体》《凶暴な拳刃》

奥田4、《漂う死、シルムガル》《龍王オジュタイ》

 

じれて先に動いたのは奥田だった。

《龍王オジュタイ》を攻撃に出し援軍を呼ぶある意味のギャンブルは、しかしながら小堺のアンブッシュ《残忍な切断》に遭う。これを《意思の激突》するものの、残りマナは少なくなりこのターンに後続が出せず、本陣が薄くなってしまう。小堺は残り6になったがこの隙を突けるか。

小堺は2体攻撃をかまし奥田のライフを残り1まで削る。残された奥田の手札は1枚。

小堺は《氷瀑の執政》をたたきつける!

 

「これで《龍王オジュタイ》が起こせなければ!」

「そのプランはうまくいくのかね?」

 

最後の手札からこぼれた《シルムガルの嘲笑》が、プランを一笑に付した。

 

 

小堺 1-2 奥田

 

奥田、4連勝で順調に先頭を航行中。