Round3:「戦場を支配する執政達」有田隆一(千葉) vs. 増野良輔(千葉) 

By Yuya Hosokawa

 4度のプロツアーサンデーを経験している千葉の古豪、有田隆一。勿論その実力はLMCC参加者の中でも1,2を争う。LMCCのトップ8に残った回数は誰よりも多いという有田。本日もここまで2-0と好調だ。


 対するはLMCの豪腕といえばこの人、増野良輔。歴代Mr.LMCでもあり、2009年のLMCCではチャンピオンにも輝いている。活躍はそれだけにとどまらず、グランプリ静岡でのトップ8入賞も経験している、文句なしの強豪である。


 攻めるデッキを好む印象のある増野と、コントロールを使用することが多い有田。2人の異なる古豪が火花を散らす。



GAME1



 《吹きさらしの荒野/Windswept Heath(ONS)》と《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire(ONS)》で森と山をサーチし、《獣呼びの学者/Beastcaller Savant(BFZ)》で攻撃を仕掛ける増野。


 後手の有田は《大草原の川/Prairie Stream(BFZ)》、平地から《絹包み/Silkwrap(DTK)》で《獣呼びの学者/Beastcaller Savant(BFZ)》を除去し、増野のブン回りを未然に防ぐ。


 更に2枚目の《獣呼びの学者/Beastcaller Savant(BFZ)》を展開して擬似的なマナ加速を行いつつ攻勢に出る増野に対し、有田は《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》でこちらは実際にマナを伸ばし、更にx=1で《搭載歩行機械/Hangarback Walker(ORI)》を戦場に送り込む。


 と、ここで《吹きさらしの荒野/Windswept Heath(ONS)》から《大草原の川/Prairie Stream(BFZ)》と4色目を置く増野。学者の恩恵を受けて4マナを出して《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》を唱える。有田はノータイムでここに《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》を。


 続けて増野が展開した《放浪する森林/Woodland Wanderer(BFZ)》も《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》した有田だったが、2枚目の《放浪する森林/Woodland Wanderer(BFZ)》には少し悩み顔。


 それでも少考の末、《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》で攻撃することに。不可解なアタックに悩む増野は結局コンバットトリックを警戒してこれをスルー。


 戦闘後、増野は自らのミスを悟った。有田が《風番いのロック/Wingmate Roc(KTK)》を唱えたからだ。


 突如現れる航空戦力の前に、未だに土地が3枚で止まっている増野は苦しそうに《空乗りのエルフ/Skyrider Elf(BFZ)》を4/4で場に出す。有田の攻めをかろうじて耐えているようにも見えたが――《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》の紋章を得て4/5となった番いの鳥の前に、屈する他なかった。


有田1-0増野


GAME2



 ゲーム1をなぞるかのように《吹きさらしの荒野/Windswept Heath(ONS)》と《大草原の川/Prairie Stream(BFZ)》の置き合いで試合が始まる。だがエンドに増野が島をサーチし、《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic(KTK)》を唱え、有田がそれを除去できなかったことで、先ほどとは異なり、増野にとって有利な展開なのは明らかとなった。


 3ターン目に《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》を唱えた増野に対し、2,3ターン目と連続で《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》を唱える有田。4マナをフルオープンで立たせる増野に、構わず《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》をプレイするが、これは《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke(KTK)》で場をまたがずに退場。

 

 突然のカウンターに少し驚きを見せる有田。

 

 そしてこのマッチ初めての待望の5マナ目を手にした増野は5/5で《空乗りのエルフ/Skyrider Elf(BFZ)》を召喚する。目の上のたんこぶとなっている《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》のために《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》を温存しておきたかった有田だが、止む無しと言った様子で、メインでこれを除去する。

 

 必然的に《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》が止まらない有田。

 

 《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》トリオによるビートダウンを敢行するも、唯一の希望だった《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》が《頑固な否認/Stubborn Denial(KTK)》で打ち消されると、最終ゲームを勝ち取るべく、サイドボードに手をかけたのだった。

 

有田1-1増野

 

 

GAME3

 

 

 最終ゲームの初動は有田の《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》となった。それにしても有田、とにかく《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》に好かれている。

 

 対して後手の増野も《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic(KTK)》とまずまずの立ち上がり。

 

 これを除去できない有田は《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》で攻撃するのみでターンを終える。が、増野が唱えた《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》には《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke(KTK)》を合わせ、主導権を譲らない。

 

 《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor(KTK)》で優位を確立に掛かる有田。増野が繰り出す《氷瀑の執政/Icefall Regent(DTK)》に思わず腰を上げてテキストを確認するも、落ち着き払って《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》を向ける。

 

 今度はストレートに土地が伸び続けている増野。《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》をお返しとばかりに今出た吸血鬼トークンに打ち込み、《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic(KTK)》で攻撃して《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor(KTK)》の忠誠値を1に落とすと、《放浪する森林/Woodland Wanderer(BFZ)》で盤面の逆転を狙う。

 

 だが除去のお返しの除去にはお返しの除去をお見舞いする有田。《完全なる終わり/Utter End(KTK)》が《放浪する森林/Woodland Wanderer(BFZ)》を追放領域へと送り、《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor(KTK)》は使い捨てることを前提にして+能力を使い、《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》で増野のライフを10まで落とす。

 

 ここで増野の豪腕が光る。引いたのは《空乗りのエルフ/Skyrider Elf(BFZ)》。そして有田はこの4/4飛行を対処できない。

 

 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》でトークンを生み出すも僅か1ターンの命。このまま回答を引けなければ敗北してしまう有田の祈るようなドローは…こちらも力強い《停滞の罠/Stasis Snare(BFZ)》。

 

 再び攻勢に移る有田。《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》を使い捨てで使用し、《乱脈な気孔/Shambling Vent(BFZ)》をセットしながら《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》で攻撃し、増野のライフは僅か7。

 

 増野の変異クリーチャーにも構わず果敢に攻撃を仕掛け、増野のライフは4。手札に土地しか持たない増野は絶体絶命に。

 

 だが。

 

 追い詰められた時の増野はとにかく力強い。


 まずは《氷瀑の執政/Icefall Regent(DTK)》をトップデッキし、《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid(ORI)》の動きを封じつつ、《乱脈な気孔/Shambling Vent(BFZ)》に睨みを利かす。




 


 更に次のターンに《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》が戦場に。





 そして続けて現れる2枚目の《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》。





 ようやく《僧院の導師/Monastery Mentor(FRF)》にめぐり合った有田をあざ笑うかのように、増野が引いたのは《放浪する森林/Woodland Wanderer(BFZ)》。

 

 間もなくして、増野の執政軍団が有田を介錯した。

 

 

有田1-2増野

 

増野Win!