Round13:「はじける破滅、はしる学者」増野良輔(千葉) vs. 嶋田雅彦(東京) 

By Yuya Hosokawa

 トップ8に残るためには負けられない戦い。ミスターLMC経験者にしてグランプリトップ8経験のある増野と、東京から参戦の嶋田が火花を散らす。


 アブザンアグロが強すぎる、という風潮がある。確かに先手で《始まりの木の管理人/Warden of the First Tree(FRF)》、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》と回ったときのアブザンアグロは手がつけられない。かつての《思考囲い/Thoughtseize(THS)》、《苦花/Bitterblossom(MOR)》、《霧縛りの徒党/Mistbind Clique(LRW)》を思わせるようだ、という声もある。


 だが、この席にはアブザンアグロはいない。嶋田はダークジェスカイを使い、増野はオリジナルの多色ビートダウンを手にスタンダードラウンドを戦っている。


 さあ、《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》のいない戦いの始まり始まり。



GAME1



 《神秘の僧院/Mystic Monastery(KTK)》から沼、そして《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》というダークジェスカイとしてまずまずのスタートを切った嶋田に対して、《燃えがらの林間地/Cinder Glade(BFZ)》と《大草原の川/Prairie Stream(BFZ)》を並べるのみの増野。嶋田はすぐに手札の循環を行う。


 3枚目の土地を置いてもなおアクションの起こせない増野。唇を噛み、ようやく4ターン目に《放浪する森林/Woodland Wanderer(BFZ)》を唱えるも、《オジュタイの命令/Ojutai's Command(DTK)》が突き刺さる。


 《放浪する森林/Woodland Wanderer(BFZ)》トライも《オジュタイの命令/Ojutai's Command(DTK)》に阻まれてしまい、《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound(ORI)》だけが少しずつ忠誠度を上げていく。


 《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》も《オジュタイの命令/Ojutai's Command(DTK)》で打ち消した嶋田は《カマキリの乗り手/Mantis Rider(KTK)》でビートダウンを始める。

 増野の次なる一手は《氷瀑の執政/Icefall Regent(DTK)》。ターンエンドに嶋田は《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》。そしてメインフェイズに入ると、3マナを支払って《氷瀑の執政/Icefall Regent(DTK)》に《焦熱の衝動/Fiery Impulse(ORI)》を打ち込む。


 3度目の正直で戦場に出た執政に対して嶋田が《はじける破滅/Crackling Doom(KTK)》を公開すると、増野はそれ以上ゲームを続けなかった。



嶋田1-0増野



GAME2


 再びのマリガンとなった増野だが、今回は嶋田もこれにお付き合い。今回先にアクションを起こしたのは増野だった。《獣呼びの学者/Beastcaller Savant(BFZ)》が嶋田に果敢に攻撃を仕掛ける。


 2ターン続けて土地を置くのみの嶋田を尻目に増野は《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》。


 《はじける破滅/Crackling Doom(KTK)》を持つ嶋田。メインで動くことはせず、増野の動きに備える。そして戦闘フェイズに除去にかかるが、ここには待ってましたとばかりに増野の《頑固な否認/Stubborn Denial(KTK)》が突き刺さる。

 嶋田、「ミスった」と表情で語る。


 仕方なくメインフェイズで2枚目の《はじける破滅/Crackling Doom(KTK)》を使用するも、増野も《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》お代わり。


 そしてこれを除去することが出来ない嶋田。《コラガンの命令/Kolaghan's Command(DTK)》の命令で《獣呼びの学者/Beastcaller Savant(BFZ)》は対処し、《カマキリの乗り手/Mantis Rider(KTK)》で攻撃を仕掛けるも、ライフレースで大きく遅れを取っているため、《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》のチャンプブロックに差し出さざるを得ない。押せ押せムードの増野は《放浪する森林/Woodland Wanderer(BFZ)》を更に追加する。


 一応カードだけは引いてみたものの、解決策は見当たらず。勝負は3本目にもつれることとなった。



嶋田1-1増野



GAME3

 

 

 最終ゲームも両者は仲良くマリガンをしてゲームを始めたが、未来は全く異なるものとなった。先手の嶋田は土地が1枚で止まり、増野は《獣呼びの学者/Beastcaller Savant(BFZ)》で攻撃を仕掛けた。


「こいつよく殴るんですよ」と増野。


 1枚しか土地のない嶋田はそれでも諦めず、《獣呼びの学者/Beastcaller Savant(BFZ)》には《焦熱の衝動/Fiery Impulse(ORI)》を打ち込む。


 3度目のチャンスでようやく2枚目の土地に辿り着いた嶋田だったが、増野の場には既に2枚目の《獣呼びの学者/Beastcaller Savant(BFZ)》と3/3の《空乗りのエルフ/Skyrider Elf(BFZ)》が。そして2枚目の《空乗りのエルフ/Skyrider Elf(BFZ)》が戦場に。


 ここに来てようやく土地を引くことが出来た嶋田だが、唱えることの出来る呪文は《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》のみ。しかもこの《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy(ORI)》は《龍詞の咆哮/Draconic Roar(DTK)》で即除去されてしまう。


 《空乗りのエルフ/Skyrider Elf(BFZ)》と《獣呼びの学者/Beastcaller Savant(BFZ)》がレッドゾーンに送り込まれると、土地もライフも足りない島田は、土地を片付けることで投了の意思を示した。

 


嶋田1-2増野



増野Win!