Round14:「ギデオン、名誉の死を遂げる」萩原紀幸(千葉) vs. 奥田賢史郎(ミスターバナナ)  

By Yuya Hosokawa

 いよいよスイスラウンドも最終戦。フィーチャーテーブルに着いたのは、現在LMCポイントレースで首位を走る奥田と、プロツアー参加多数の千葉の強豪、萩原紀幸だ。

 

 萩原は今回LMCCのトップ8に残ることなんと6度目!何を言っているのかわからないが、萩原の実力を知らしめるには十分すぎる。

 

 萩原はLMCでの大活躍は勿論、プロツアー予選を突破したことも複数回ある。トップ8に残るだけでなく、勝負強いプレイヤーでもあるのだ。

 

 王道デッキを好む萩原が本日持ち込んだのはアブザンアグロ。ドラフトで苦戦したものの、スタンダードではさすがの好成績である。


 現在21ポイントで悠々とLMCCに参加していた奥田にとって、これは悲劇的な事態だ。


 トップ8に残らなければポイントを1点ももらえないのがLMC。しかもLMCCではこのポイントが3倍なのだ。この一戦に勝利することで、LMCCのトップ8を確定させるだけでなく、ミスターLMCを手中に収める事もできるのだ。


 奥田のシャッフルする手にも力がこもる。


 そんな奥田のデッキはドラゴンをフューチャーした独創的なコントロールデッキ。

 トップ8を賭けた絶対に負けられない戦いが、今始まる。



GAME1



 《梢の眺望/Canopy Vista(BFZ)》、森から《搭載歩行機械/Hangarback Walker(ORI)》でスイスラウンド最終戦のフィーチャーマッチは幕を開けた。負けじと奥田も《オジュタイの語り部/Orator of Ojutai(DTK)》で《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai(DTK)》を公開と、まずまずの立ち上がり。


 3ターン目の萩原はドロー、セット、ゴー。奥田もアクションは《乱脈な気孔/Shambling Vent(BFZ)》タップインのみ。


 萩原はカウンターの2つ乗った《搭載歩行機械/Hangarback Walker(ORI)》で攻撃し、これを少考の末奥田は《オジュタイの語り部/Orator of Ojutai(DTK)》でブロック。戦闘後の《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》は《意思の激突/Clash of Wills(ORI)》でカウンター。


 2枚目の《オジュタイの語り部/Orator of Ojutai(DTK)》で守りを固める奥田に、萩原は果敢に《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》で攻め立てる。今度は無事着地。


 奥田はここまで2回公開している《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai(DTK)》を場に出してタップアウト。


 この隙に3/3の《搭載歩行機械/Hangarback Walker(ORI)》と《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》で攻撃する萩原。《搭載歩行機械/Hangarback Walker(ORI)》が《オジュタイの語り部/Orator of Ojutai(DTK)》でブロックされたところで、《ドロモカの命令/Dromoka's Command(DTK)》でもう1体の《オジュタイの語り部/Orator of Ojutai(DTK)》もろとも葬り去る。


 白マナのない萩原の場を見て奥田は《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai(DTK)》で攻撃することに。だが萩原が持っていたのは《アブザンの魔除け/Abzan Charm(KTK)》ではなく《残忍な切断/Murderous Cut(KTK)》。渋い顔をして《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai(DTK)》を墓地に置き、その《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai(DTK)》服務墓地を6枚リムーブし、《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》をキャスト。更に3枚目の《オジュタイの語り部/Orator of Ojutai(DTK)》を召喚。今度公開したのは《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》。


 萩原はレッドゾーンにクリーチャーを送り続ける。奥田のライフを7点まで落とすと、二の矢として用意したのは《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》。

 《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar(DTK)》でこの《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》を奪い取る奥田だったが。


 萩原の手札には、初手からずっと持っていた《アブザンの魔除け/Abzan Charm(KTK)》。忠誠を取り戻した《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》はそのまま紋章へと姿を変え、力を得た萩原の軍勢が、奥田のライフを削りきった。


萩原1-0奥田



GAME2



 先ほどは3回も登場した《オジュタイの語り部/Orator of Ojutai(DTK)》は今回は出ず。萩原の後手2ターン目の《精神背信/Transgress the Mind(BFZ)》がファーストアクションとなる。


 公開された手札は《漂う死、シルムガル/Silumgar, the Drifting Death(FRF)》、《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》、《龍詞の咆哮/Draconic Roar(DTK)》、土地。この中から《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》を抜き取る。


 更に萩原は2枚目の《精神背信/Transgress the Mind(BFZ)》で奥田を攻め立てる。《焙り焼き/Roast(DTK)》が増えており、落とすのは《漂う死、シルムガル/Silumgar, the Drifting Death(FRF)》。


 そして安全確認を済ませた萩原は《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》を戦場に。生み出したトークンは《龍詞の咆哮/Draconic Roar(DTK)》により除去される。


 相変わらずドロー、セット、ゴーの奥田。


 3枚目の《精神背信/Transgress the Mind(BFZ)》を引いた萩原は、知らない1枚のカードに対してこれをキャストするか悩む。悩んだ結果、これを打つことに。


 前のターンに奥田が引いていたのは…《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar(DTK)》! 喜んでこれをリムーブする萩原。



 絶体絶命の奥田。祈るようにカードを引く。


 そしてなんとこのドローが《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar(DTK)》!!

 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》は奥田に紋章を与えて萩原の墓地に。


 だが、奥田の抵抗はここまでだった。


 《風番いのロック/Wingmate Roc(KTK)》でトークンを呼び出した萩原に対し、奥田はただパスすることしか出来ない。


 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》が萩原に与えた紋章は、またしても萩原の勝利を確約させるものとなった。


萩原2-0奥田



萩原Win!