Round12:「包囲不ザイ」二通駿介(千葉サブ) vs. 小堺透雄(マンモス…せるぷー四天王)  

By Yuya Hosokawa

 ドラフトを終えて、6ラウンド振りにプレイヤーたちは60枚(以上)のデッキを手に取ることになった。


 このラウンドのフィーチャーマッチに選ばれたのは、ドラフトを6-0して現在ポールポジションにいる小堺とそれを追う現ミスターLMC二通という熱い対決。





 だが現在トップに立っている小堺の表情は少し暗い。何故なら…

 

小堺「ドラフトがいーよー!」


 ドラフトを6-0で折り返した小堺としては、スタンダードラウンドに戻りたくないのだろう。とはいえスタンダードラウンドも3勝2敗と、決して不調なわけではない。

 さて、一方の二通はスタンダードで行われたプロツアー予選を突破した事があるプレイヤーだ。スタンダードに戻ってきたことを喜んでいるのかと思いきや…


二通「同意です」


 こちらもスタンダードの勝算は高いとは思っていないらしい。


 だが誰がなんと言おうとここからの3回戦、そして決勝ラウンドではスタンダードのデッキで戦う他ない。


 そうこうしている内に、スタンダードに対する憎悪の声が2人の間からようやく止む。ということは、ゲームが始まるということなのだ。



GAME1



 《吹きさらしの荒野/Windswept Heath(ONS)》から《始まりの木の管理人/Warden of the First Tree(FRF)》というロケットスタートを切る二通。島を置くのみの小堺に対して早速管理人を一段階成長させ、3/3でレッドゾーンに送り込む。


 小堺が場に出した《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic(KTK)》を前に二通は少し悩むも、《樹木茂る山麓/Wooded Foothills(ONS)》を即起動し、《燻る湿地/Smoldering Marsh(BFZ)》をサーチ。これで緑白黒を揃えるも、プレイするのは《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》ではなく《ドロモカの命令/Dromoka's Command(DTK)》。


 《龍詞の咆哮/Draconic Roar(DTK)》を持っているものの既に4/4になってしまった《始まりの木の管理人/Warden of the First Tree(FRF)》には無意味。仕方なく《凶暴な拳刃/Savage Knuckleblade(KTK)》に手を伸ばす。


 これに対し二通はノータイムで《始まりの木の管理人/Warden of the First Tree(FRF)》を攻撃に向かわせる。苦渋の表情でこれをスルーする小堺は、この後に二通の出した《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》を見て、その顔を更に歪める。


 とはいえ小堺は出来る最善手を取るのみ。《火口の爪/Crater's Claws(KTK)》で4/4の《始まりの木の管理人/Warden of the First Tree(FRF)》を打ち落とし、《凶暴な拳刃/Savage Knuckleblade(KTK)》を《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》に。トークンがチャンプブロックし、戦場には小堺のコントロールする《凶暴な拳刃/Savage Knuckleblade(KTK)》と二通の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》のみ。


 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》が攻撃して小堺のライフは残り3。《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》を持っているのか?と今にも聞きそうな表情で二通を見つめる小堺。



二通「持ってたらいいんですけどねー(笑)」


 そう言いながら二通がプレイしたのは変異。9割、《棲み家の防御者/Den Protector(DTK)》だろう。つまり次のターンのライフを削りきるには十分だということだ。しかもチャンプブロックも許さないカードだ。


 小堺にとって《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》だろうと変異だろうと、死刑宣告に他ならなかった。

二通1-0小堺



GAME2



 待望の先手を得た小堺。《樹木茂る山麓/Wooded Foothills(ONS)》2枚しか土地がなく、色マナが不安ということ以外は申し分ない初手を結局キープすることにした小堺は、《樹木茂る山麓/Wooded Foothills(ONS)》から《燻る湿地/Smoldering Marsh(BFZ)》をサーチする。


 今回は二通は《乱脈な気孔/Shambling Vent(BFZ)》スタートと少し大人しく、更に小堺の《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic(KTK)》も除去せず、2ターン目を何もせずパスする。


 これに対して《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic(KTK)》で果敢に攻撃を仕掛ける小堺。だが二通は除去を持っていなかったわけではなく、攻撃されたところで《究極の価格/Ultimate Price(DTK)》を開示した。小堺のアクションはセット、ゴー。


 この隙に攻めたい二通は《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》をプレイするも、ここには《自傷疵/Self-Inflicted Wound(DTK)》が飛ぶ。第二の刺客として戦場に送り込んだのは《搭載歩行機械/Hangarback Walker(ORI)》。Xは2。


 対する小堺は《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》を出してエンド。勿論二通は攻撃できず、変異キャスト。


 この変異に小堺はノータイムで《龍詞の咆哮/Draconic Roar(DTK)》を打ち、《棲み家の防御者/Den Protector(DTK)》が《究極の価格/Ultimate Price(DTK)》を拾うのを横目に2枚目の《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》。


 《究極の価格/Ultimate Price(DTK)》で《雷破の執政/Thunderbreak Regent(DTK)》を除去するだけで6点喰らう二通は、第3ゲームに望みを託すことに決めたのだった。


二通1-1小堺



GAME3



 ここに来て小堺は痛恨のダブルマリガン。そんな小堺を更に悩ませる材料が、二通の1ターン目に召喚した《始まりの木の管理人/Warden of the First Tree(FRF)》だった。


 二通は《吹きさらしの荒野/Windswept Heath(ONS)》で平地をサーチし、少考の末これを3/3に。手札に《乱撃斬/Wild Slash(FRF)》も《焦熱の衝動/Fiery Impulse(ORI)》も持たない小堺はこれをスルーし、ターンエンドに《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire(ONS)》で《窪み渓谷/Sunken Hollow(BFZ)》をサーチする。


 山から《龍詞の咆哮/Draconic Roar(DTK)》で《始まりの木の管理人/Warden of the First Tree(FRF)》を除去する小堺だったが、手札にはもう《荒野の後継者/Heir of the Wilds(KTK)》しかカードがない。ダブルマリガンが響いてしまっている。


 だが二通も動きが芳しくない。4枚目の土地が置けずに《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》をプレイするのみなのだ。


 二通の事故に乗じたい小堺。しかし願いは通じずドローは《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic(KTK)》。


 次のドローでも土地にめぐり合わなかった二通は3マナを立ててターンを返すが、《ドロモカの命令/Dromoka's Command(DTK)》で《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic(KTK)》を格闘させつつ、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》を成長と、決して足を止めない。


 とはいえ土地を引けない二通。対照的に土地ばかり引く小堺。お互いにエンドを繰り返す。


 マナトラブルに陥った2人。先に地獄から抜け出したのは二通だった。


 4枚目の土地を引いた二通。小堺は《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》の準備をしてペンを持ち、ライフメモに今にもー3、+3を書き込もうとしている。


 だが、二通はこのマッチで本当に《包囲サイ/Siege Rhino(KTK)》を持っていない。代わりに《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》でトークンを生み出す。


 この《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar(BFZ)》は小堺の執念のドロー《火口の爪/Crater's Claws(KTK)》で即座に墓地に落ちるも、二通にとってはこれで十分だった。


 《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》の道を塞いでいる《荒野の後継者/Heir of the Wilds(KTK)》と格闘する相手を確保出来たからだ。


 無人の荒野を《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KTK)》が駆け抜ける。そして《氷瀑の執政/Icefall Regent(DTK)》に対して3枚目の《ドロモカの命令/Dromoka's Command(DTK)》を二通が開示すると、小堺は悔しそうに投了を宣言したのだった。


二通2-1小堺



二通Win!