【LMCC直前特集】 あじわいさんのスタンダードガイド 第1回「ローテーションの影響」

Written by Atsushi Kanno

 

こんにちは、AGY(あじわい)こと菅野でございます。

 

LMCC 2016の開催まで半月足らずとなり、新セット「カラデシュ」の輪郭も見えてきました。

本稿は、以下3回のシリーズでお送りする予定でございます。発売翌日というタイトなスケジュールで開催されるLMCCに向けたデッキ構築の一助としていただければ幸いです。

 

1.ローテーション落ちカードの影響まとめ

2.ローテーションの影響が少ないデッキの今後

3.完全なる妄想による新しいコンセプトのデッキ紹介

 

シリーズ第1回の今回は、新セット発売によるローテーションで、使えなくなるカードと、その影響を受けるデッキタイプについてサマリーしていきます。

 


さて、新セット「カラデシュ」の登場によってローテーション落ちするのは、「タルキール龍記伝」と「マジック・オリジン」の2セットです。

 

 

「タルキール龍記伝」の主要なカード

・龍王サイクル(《龍王アタルカ/Dragonlord Atarka》、《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai》、《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》など)

・命令サイクル(《ドロモカの命令/Dromoka's Command》、《オジュタイの命令/Ojutai's Command》など)

・《集合した中隊/Collected Company》

・大変異(《棲み家の防御者/Den Protector》、《死霧の猛禽/Deathmist Raptor》、《層雲の踊り手/Stratus Dancer》など)

・濫用(《シディシの信者/Sidisi's Faithful》、《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant》など)

・《爆発的植生/Explosive Vegetation》

 

「マジック・オリジン」の主要なカード

・オリジンプレインズウォーカー(《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn's Prodigy》、 《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer》など)

・《衰滅/Languish》、《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance》

・ダメージランド(《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》、《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》など)

・《搭載歩行機械/Hangarback Walker》

・《強迫/Duress》

・《ニッサの巡礼/Nissa's Pilgrimage》

 

環境の主軸となったカードや、ナイスサポートカードが数多く姿を消す事から、既存のどのデッキにも大なり小なりの影響が出るのは間違いなさそうです。

ローテーションの影響を大きく受けるデッキ

それでは、環境変化の影響を大きく受けるデッキを順に見ていきましょう。


バントカンパニー

カンパニー嫌いの皆様お待たせしました!かく言う筆者も使わない派閥に属しておりましたが、この度ついにローテーション落ちします。

これに伴い《集合した中隊/Collected Company》を主軸に据えたデッキは大きくその形を変える事となります。

 

但し、骨格となるクリーチャーが概ね残る事と、天敵だった《衰滅/Languish》が同時に退場する事を考えると、バントカラーのミッドレンジビートは、新環境でも作る事が出来そうです。

サンプルは、現状のレシピで抜けた穴を、近しい役割の別のカードに差し替えて並べたものです。ご参考まで。

 

・サンプルレシピ

4 《森》

4 《平地》

1 《島》

3 《大草原の川》

4 《進化する未開地》

4 青と緑が出る土地

3 《要塞化した村》

2 《伐採地の滝》

 

-土地 (25)-

4 《森の代言者》

3 《薄暮見の徴募兵》

4 《無私の霊魂》

4 《反射魔道士》

4 《呪文捕らえ》

3 《不屈の追跡者》

2 《大天使アヴァシン》

-クリーチャー (24)-

 

2 《石の宣告》

2 《集団的努力》

3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

2 《実地研究者、タミヨウ》

2 《否認/Negate》

 

-呪文 (11)-



白単人間

白単人間は、《勇者の選定師/Anointer of Champions》、《ドラゴンを狩る者/Dragon Hunter》、《アクロスの英雄、キテオン/Kytheon, Hero of Akros》という

3種類もの1マナクリーチャーが脱落する上に、土地を切り詰める事を肯定できた

《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》まで落ちてしまいます。

平地18~19枚で運用する、環境のトップスピードを定義するデッキ

としての役割は別のデッキに委ねられることになりそうです。

 

 


 

 

ただし、《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》を筆頭に優秀な種族:人間クリーチャーは環境に存在していますから、《サリアの副官/Thalia's Lieutenant》を軸に据えたビートダウンにはまだまだ可能性が残されています。

 

 

・白単人間の参考レシピ

有田 賢人「白単人間」「WMCQ大阪2016(1位)」

 

 

14 《平地》

4 《戦場の鍛冶場》

 

-土地 (18)-

 

4 《石の宣告》

3 《グリフの加護》

4 《永遠の見守り》

-呪文 (11)-

 

 

4 《ドラゴンを狩る者》

4 《探検隊の特使》

4 《スレイベンの検査官》

4 《町のゴシップ屋》

3 《アクロスの英雄、キテオン》

2 《勇者の選定師》

4 《白蘭の騎士》

4 《サリアの副官》

2 《領事補佐官》

-クリーチャー (31)-

 


白緑トークン

白緑トークンは、一時期戦列を離れていましたが、RPTQシーズンに再びその花を開きました。

デッキの主役である《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》と《ゼンディカーの代弁者、ニッサ/Nissa, Voice of Zendikar》は環境に残りますが、不器用なこのデッキの潤滑油である《ドロモカの命令/Dromoka's Command》、そして強烈なリセットである《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance》の退場は、他に代わるカードが見当たりません。《搭載歩行機械/Hangarback Walker》もデッキのコンセプトを押し上げるカードであり、単純なカードの入れ替えではデッキとして成立させる事が難しい印象を受けます。

・白緑トークンの参考レシピ

覚前 輝也「白緑トークン」

プロツアー『カラデシュ』地域予選inアノアデザイン(Top4)

 

8 《森》

8 《平地》

4 《梢の眺望》

4 《要塞化した村》

1 《ウェストヴェイルの修道院》

-土地 (25)-

 

4 《搭載歩行機械》

4 《首絞め》

4 《森の代言者》

3 《大天使アヴァシン》

 

-クリーチャー (15)-

4 《ドロモカの命令》

2 《悲劇的な傲慢》

4 《ニッサの誓い》

2 《停滞の罠》

4 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》

4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

 

-呪文 (20)-



この他、《衰滅/Languish》を失う白黒コントロールや、ダメージランドを失う事で使いにくくなるエルドラージミッドレンジなども、代替カードの選定に苦労しそうです。

 

 

というところで第1回はここまで。

次回は、影響が軽微だったデッキのレビューと、カラデシュのカードも含めた採用候補のカード検討をお送りする予定です。