【LMCC直前特集】 あじわいさんのドラフトガイド

Written by Atsushi Kanno

 

こんにちは、AGY(あじわい)でございます。

 

ついにカラデシュ発売日、そして明日は待ちに待ったLMCC2016当日です!

みなさま、思い思いにデッキを練り上げている最中だとは思いますが、LMCCと言えばドラフトとのジグザグフォーマットです。そこで、本戦前日にちょっと知っておいた方が良いルールの基本的な話に加えて、戦闘を難しくする要因であるコモンのインスタントカードを列挙しておこうと思います。

 

今回カラデシュで追加されたキーワードは以下の3つです。

  • エネルギー
  • 機体と搭乗
  • 製造

それでは、順番におさらいしていきます。

 

※尚、本稿の情報は公式サイト「カラデシュ リリースノート」より引用しております。


新メカニズム:エネルギー

 これまでに全く無かった概念として「エネルギー」が登場しました。

 カードにはエネルギーシンボルとして記載され、一つのシンボルにつき、1個のエネルギー・カウンターを表します。このカウンターはプレイヤーが持つカウンターの一種で、毒カウンターなどと同様にステップ、フェイズ、ターン終了時などに消滅しません。

 

 特に注意したいのは、エネルギー・カウンターの支払いに関する挙動です。以下列挙しておきます。

  • 持っているエネルギー・カウンターの数を超えるエネルギー・カウンターを支払う事は出来ない
  • エネルギー・カウンターを「支払ってもよい」と書かれた誘発型能力に対して、複数回支払って効果を増加する事は出来ない
  • エネルギー・カウンターを支払う選択を行った後では、どのプレイヤーもその能力の効果の発生に割り込めない
  • 対象を取る誘発型能力、かつエネルギー・カウンターを支払う能力が対象不適正になった場合、能力は打ち消され、エネルギー・カウンターは失われない(支払いたくても支払えない)

新メカニズム:機体と搭乗

 これまた目新しい、いわゆる装備品とは逆のアプローチになる機体搭乗のメカニズムが登場しました(ギャグじゃないです)。

 

 まずは機体から、公式ルールは以下の通り。

301.7. 「機体」というサブタイプを持つアーティファクトがある。機体は搭乗能力を持つ。それは、そのアーティファクトがアーティファクト・クリーチャーになるという能力である。rule 702.121〔搭乗〕参照。

 

301.7a 各機体にはパワーとタフネスが記載されているが、それがそれらの特性を持つのは、それがクリーチャーでもあるときのみである。rule 208.3参照。

 

301.7b 機体がクリーチャーになったなら、それは即座に、それに記載されているパワーとタフネスを持つ。それをクリーチャーにした効果など、他の効果は、そのパワーとタフネスの値を修整したり異なる値に設定したりすることがある。

 

 ここで確認しておくべき事は、機体のパワーとタフネスは、「クリーチャーになった」事によって参照されるので、搭乗とは無関係だと言うことですね。搭乗以外でクリーチャーになるという効果があった場合にも、記載されているパワーとタフネスが適用されることになります。

 それでは、続いて搭乗についてを見てみましょう。

 

702.121a 搭乗は機体・カードにある起動型能力である。「搭乗N」は、「あなたがコントロールするパワーの合計がN以上の望む数のアンタップ状態のクリーチャーをタップする:ターン終了時まで、このパーマネントはアーティファクト・クリーチャーになる。」を意味する。

 

702.121b クリーチャーが「機体1つに搭乗する」とは、機体の搭乗能力を起動するためのコストを支払うためにそのクリーチャーをタップすることである。

 

702.121c クリーチャーが「機体に搭乗できない」という効果があったなら、機体の搭乗能力を起動するためのコストを支払うためにそのクリーチャーをタップすることはできない。

 

 上でも強調しましたが大事な所は二点で、搭乗が起動型能力であり、クリーチャーのタップはコストだという事です。

 

 この他にも注意すべき点を列挙しておきます。

  • 搭乗コストのクリーチャーはアンタップ状態であれば良い(このターンにコントロールになったクリーチャーでも問題無い)
  • 搭乗コストに必要以上のクリーチャーをタップしてもよい
  • 搭乗能力の起動を宣言した後に、クリーチャーを除去するなどで能力の起動に割り込む事はできない
  • 搭乗コストとしてタップされたクリーチャーは、機体とは関連を持たないので、機体が破壊されるなどしてもそれらのクリーチャーには影響を与えない
  • 機体も、あなたがあなたのターンの開始時から続けてそれをコントロールしていないかぎり、それで攻撃することはできない。(古い言い方をすると召喚酔いの影響を受けるって事ですね)
  • 搭乗した後の機体には、クリーチャー・タイプがない。 
  • 機体がすでにアーティファクト・クリーチャーであっても、それの搭乗能力を起動することができる。(それによって機体には何の効果もない)
  • 機体で攻撃するには、戦闘開始ステップ中あるいはそれまでに搭乗能力を起動する必要がある
  • 機体でブロックするには、攻撃クリーチャー指定ステップ中あるいはそれまでに搭乗能力を起動する必要がある
  • 機体がクリーチャーになることは、クリーチャーが戦場に出たこととして扱わない
  • パーマネントが機体のコピーになったなら、そのコピー元の機体がアーティファクト・クリーチャーになっていたとしても、そのコピーはクリーチャーではない

 うーん、結構多い。


新キーワード能力:製造

 最後に選択型能力である製造をチェックしましょう。機体がややこしかっただけで、こちらは至ってシンプル。

 公式ルールは以下の通り。

 

702.122a 製造は誘発型能力である。「製造N」は、「このパーマネントが戦場に出たとき、あなたはこれの上に+1/+1カウンターをN個置いてもよい。そうしないなら、無色の1/1の霊気装置・アーティファクト・クリーチャー・トークンをN体生成する。」を意味する。

 

702.122b パーマネントが複数の製造を持つなら、それらはそれぞれ個別に誘発する。

 

 誘発型能力であるという事を覚えておけば、あとはどうという事は無いですね。

 

 この他に気を付けておいた方が良い点は以下の通り。

  • 製造能力でどちらを選ぶかは解決時に選ぶので、選んだ後には割り込む事は出来ない。
  • 製造能力自体はスタックに乗るので、場に出てから製造が解決されるまでに割り込む事は出来る。
  • クリーチャーの上にカウンターが置けない(既に戦場にないなど)場合は、特に選択無くトークンが生成される。

コモンのインスタントカード一覧

 そして、若干の手抜き感も否めませんが、おまけとしてコモンに存在するインスタントのカード一覧を置いてお別れです。ご参考まで。

 

◆白

《永存確約/Built to Last》⇒W:+2/+2(アーティファクトクリーチャーには破壊不能)

《絶妙なタイミング/Impeccable Timing》⇒1W:アタックorブロック生物に3点

《圧点/Pressure Point》⇒1W:生物1体タップ+1ドロー

《軽業の妙技/Acrobatic Maneuver》⇒2W:自軍生物をブリンク+1ドロー

《鼓舞する突撃/Inspired Charge》⇒2WW:自軍すべてに+2/+1

 

◆青

《抜き取り検査/Select for Inspection》⇒U:タップ状態の生物をバウンス

《革命的拒絶/Revolutionary Rebuff》⇒1U:追加2マナ支払いのカウンター(アーティファクトは不可)

《劇的な逆転/Dramatic Reversal》⇒1U:土地以外のパーマネントアンタップ

《上天の貿易風/AEther Tradewinds》⇒2U:自分と相手のパーマネントをバウンス

《検査不合格/Failed Inspection》⇒2UU:カウンター+ルーター1

 

◆黒

《活力の奔出/Rush of Vitality》⇒1B:+1/+0、ライフリンク、破壊不能

《隠然たる襲撃/Subtle Strike》⇒1B:-1/-1と+1/+1カウンター

《当然の結論/Tidy Conclusion》⇒3BB:確定除去+アーティファクトの数だけゲイン

 

◆赤

《撃砕確約/Built to Smash》⇒R:+3/+3(アーティファクトクリーチャーにはトランプル)

《チャンドラの螺旋炎/Chandra's Pyrohelix》⇒1R:2点割り振り

《溶接の火花/Welding Sparks》⇒2R:(3+アーティファクトの数)点の生物火力

 

◆緑

《飾りの勇気/Ornamental Courage》⇒G:+1/+3

《祝祭の開幕/Commencement of Festivities》⇒1G:プレイヤー限定の《濃霧/Fog》

《人工物への興味/Appetite for the Unnatural》⇒2G:《帰化/Naturalize》+2点ゲイン


 

 というわけで、簡単ではありましたが、カラデシュ環境のドラフトの導入情報をまとめてみました。少しでもお役にたてれば幸いです。

 それでは、皆様明日は千葉市民会館でお会いしましょう!