by Yui Takagi

千葉県ローカルチーム「岩出家」より、3連勝を飾る武田と、2勝1分けでこれを追いかける辻の戦いをお送りしよう。

新エキスパンション「カラデシュ」が前日に発売された翌日という過酷なトーナメント、お互いにまだ新しいカードの使い勝手や細かいルーリングに苦労しているという話で盛り上がる。

辻　：緑青赤現出

武田：白緑ミッドレンジ

お互いに持ち込んだのは前環境スタンダードでも活躍した名刀。

カラデシュから何かアレンジはあるのだろうか？

ＧＡＭＥ１

先手の武田が《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》と駆け出す。

対する辻は《原初のドルイド/Primal Druid(EMN)》《金線の使い魔/Filigree Familiar(KLD)》といかにも「現出します」と宣言する土台作り。

武田は《ゼンディカーの代弁者、ニッサ/Nissa, Voice of Zendikar(OGW)》から2体にカウンターを乗せて攻撃し、辻は《原初のドルイド》で受けて土地に変換する。

武田はさらに《新緑の機械巨人/Verdurous Gearhulk(KLD)》で自身と《森の代言者》に2つずつカウンターを乗せ追撃。辻は《金線の使い魔》を差し出しなんとか軍勢に押し流されまいと踏ん張る。

辻は《荒ぶる波濤、キオーラ/Kiora, the Crashing Wave(BNG)》を出しマイナス能力を起動、《不憫なグリフ/Wretched Gryff(EMN)》を手に入れながら墓地を肥やす。このとき《コジレックの帰還/Kozilek's Return(OGW)》がそっと落ちる。いつぞやのプロツアーでも散々見せつけられたが、これがエルドラージを操るものの反撃の一枚になる。

武田は2体目の《新緑の機械巨人》で全軍を満遍なく強化して総攻撃。辻はなんとか生き延びたものの残りライフは、わずか1。

生き残るには《荒ぶる波濤、キオーラ》のマイナス能力で2枚目の《コジレックの帰還》を落とし10点火力の嵐を巻き起こすことだが…なんと見事にこれをやってのける！

しかも場に出たのは《約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised End(EMN)》！

ただ、奪った武田のターンでは、武田のリソースが尽きてきていたこともありビッグムーブには至らない。

武田は続くターンに引き込んだ《ニッサの誓い/Oath of Nissa(OGW)》から《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》2枚目を引き込み、《不屈の追跡者》で作り上げた手がかりから《石の宣告/Declaration in Stone(SOI)》になんとかたどり着く。

辻は続く武田のアップキープで《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend(EMN)》を出しマナを縛る。

武田は《スレイベンの検査官》も出していく。なんせ辻のライフは1、たった1点削ればいいのだ！ブロッカーの横をすり抜ければタッチダウンなのだ！

…しかしその1点が遠ざかる辻の《墓後家蜘蛛、イシュカナ/Ishkanah, Grafwidow(EMN)》…武田は2体の《不屈の追跡者》を送り出し、なんとか手がかりを生贄に捧げ答えにたどり着こうと奮闘する。

辻は2体《不憫なグリフ》を呼び込み空中からの逆転勝ちを狙う。

武田は手がかりを生贄に捧げながらさらに《森の代言者》を設置してさらに再度に展開していく。なんとか1点を削るその隙を…

しかしエンドに辻が放った2体目の《老いたる深海鬼》、そして返す刀でメインターンに3体目の《老いたる深海鬼》！

辻１－０武田

ＧＡＭＥ２

武田は第2、第3ターンに《森の代言者》の滑り出し。辻は第2ターンでの《過去との取り組み/Grapple with the Past(EMN)》がファーストタッチになるがここで落ちたのが《発生の器/Vessel of Nascency(SOI)》《ウルヴェンワルド横断/Traverse the Ulvenwald(SOI)》《過去との取り組み》で何も拾えない。

武田は第4ターンに《不屈の追跡者》を追加してリソースを補充しながらのビートを開始。辻は来たる一撃のために《原初のドルイド》を設置して迎え撃つ。

武田「むずかしいよ、これ！」

武田はここで長考。いろんなケースを脳内でシミュレーションした結果、《原初のドルイド》に対して《停滞の罠/Stasis Snare(BFZ)》を仕掛けるが、これは辻が《否認/Negate(OGW)》する。続く総攻撃には《原初のドルイド》を差し出し辻のライフは残り12。

辻は昂揚した《ウルヴェンワルド横断》から《墓後家蜘蛛、イシュカナ》を導き出し守りを固めていくが、武田がここで満を持して6枚目の土地をセットし2体《森の代言者》がパワーアップし、《新緑の機械巨人》で満遍なく強化してレッドゾーンに投げ込む。辻は唯一タフネスが低めな《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》にほとんどのブロッカーをぶつけて相打ちに持ち込みが、これで辻は残りライフ7。

続く武田のターンは《老いたる深海鬼》が出て攻撃が阻止されるが、武田はさらに《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》で軍勢を育て上げる。そもそも手がかりトークンのおかげでリソースに大きな差が出ているのだ。まもなく辻が押しつぶされるのは時間の問題だった。

辻１－１武田

残り時間は10分。ある意味不器用で肉厚なぶつかり合い、時間内に決着するのだろうか…

ＧＡＭＥ３

辻は第2ゲーム《発生の器》の滑り出し。

一方の武田は第2ターンに《ラムホルトの平和主義者/Lambholt Pacifist(SOI)》を出すが、続く辻が《発生の器》の能力を起動するのみだったため、これがうっかり変身しアタッカーと化す。

さらに武田はこれに《グリフの加護/Gryff's Boon(SOI)》もつけ5点クロックを刻む。

辻は土地が4枚で止まりこれが止まらない。

一方の武田も3枚で土地が止まり動けない。

つまり、両者が動けなかったことで、この5点クロックが勝負を決めてしまったのである。

辻１－２武田

武田Ｗｉｎ！