Round14 : 「完全却下」 春日 亮佑 vs. 植木 淳一

By Yuya Hosokawa

 

泣いても笑ってもこれがLMCC予選ラウンド最終戦。

勝てばトップ8。負ければここでLMCCは終了。バブルマッチに挑む二人がフィーチャーテーブルに現れた。

 

まずはグランプリチャンピオン、春日 亮佑。

千葉の強豪、春日が本日使用しているのは、フィーチャーテーブルでドラマを見せ続けている《霊気池の驚異/Aetherworks Marvel(KLD)》デッキだ。4ターン目の《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger(BFZ)》という一撃必殺あり、《霊気池の驚異/Aetherworks Marvel(KLD)》を何度も使用するプランもありなど、見た目以上に多彩な動きをする。

 

対するはこちらも千葉、LMCの常連である植木 淳一。LMCでマジックを楽しむ古豪であり、もちろん春日とも旧知の仲だ。

植木の使用するデッキは青白フラッシュ。いわゆる青白クロックパーミッションであり、スピリットとはちょっと異なったデッキだ。スピリットは《鎖鳴らし/Rattlechains(SOI)》と《呪文捕らえ/Spell Queller(EMN)》のみで、《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn(SOI)》と《次元潜入者/Dimensional Infiltrator(OGW)》、更には《老いたる深海鬼/Elder Deep-Fiend(EMN)》など、たくさんの瞬速クリーチャーと打ち消し呪文で構成されている。

 

コンボ対クロックパーミッション。相性はクロックパーミッションの青白フラッシュが有利なのは明白だ。

だが予選最終ラウンド。相性など、両者は少しも考えていないだろう。目の前の一戦を勝つしかないのだ。

 

今、バブルマッチが始まる。

 

 

 

GAME 1

 

 

先手の植木は島、《霊気拠点/Aether Hub(KLD)》と並べ、その後も淡々と島と平地だけを並べて静かにターンを返す。

春日は序盤から積極的に動く。1ターン目は《霊気との調和/Attune with Aether(KLD)》、2ターン目に《光り物集めの鶴/Glint-Nest Crane(KLD)》。この《光り物集めの鶴/Glint-Nest Crane(KLD)》は残念ながらアーティファクトをめくってはくれない。

 

植木が動いたのは5ターン目。《導路の召使い/Servant of the Conduit(KLD)》を《呪文捕らえ/Spell Queller(EMN)》で奪い取る。

 

更に次のターンに《呪文捕らえ/Spell Queller(EMN)》に打ち込んだ《慮外な押収/Confiscation Coup(KLD)》を《鎖鳴らし/Rattlechains(SOI)》でかわした植木は、《天才の片鱗/Glimmer of Genius(KLD)》でカードを引くと、《光り物集めの鶴/Glint-Nest Crane(KLD)》に《石の宣告/Declaration in Stone(SOI)》を。

 

次の《慮外な押収/Confiscation Coup(KLD)》も《虚空の粉砕/Void Shatter(OGW)》で打ち消した植木・淡々とドロー、アタック、ゴーを繰り返す。まさにクロックパーミッション。

 

ここで春日。7マナある状態でまず《コジレックの帰還/Kozilek's Return(OGW)》をプレイ。これに少考の末、植木はフルタップで《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn(SOI)》をキャスト。

 

ようやく植木のガードが空く。春日は満を持して《霊気池の驚異/Aetherworks Marvel(KLD)》をプレイ!

 

これを通すしかない植木。春日は《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger(BFZ)》をめくることを祈るのみ。既にエネルギーカウンターは9個あるのだ。

 

だが春日は《ガラス吹き工の組細工/Glassblower's Puzzleknot(KLD)》しかめくることができない。

 

《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn(SOI)》と《呪文捕らえ/Spell Queller(EMN)》、《鎖鳴らし/Rattlechains(SOI)》の攻撃を受けてこれで残りは5に。

 

アップキープに春日はまず《ガラス吹き工の組細工/Glassblower's Puzzleknot(KLD)》を起動。その占術で見た2枚は土地と《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger(BFZ)》!この2枚をそのまま積み、土地をドロー。

そして植木のアップキープに《霊気池の驚異/Aetherworks Marvel(KLD)》を起動して《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger(BFZ)》をプレイ。

《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger(BFZ)》は《虚空の粉砕/Void Shatter(OGW)》で打ち消されたものの、《コジレックの帰還/Kozilek's Return(OGW)》が盤面を一掃し、《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger(BFZ)》が土地を2枚追放する。

 

植木は《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》をプレイするのみ。

 

《織木師の組細工/Woodweaver's Puzzleknot(KLD)》と《ガラス吹き工の組細工/Glassblower's Puzzleknot(KLD)》で無限に溜まっていくエネルギー。

 

間もなくして、《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger(BFZ)》が降臨し、ゲームがそれ以上続くことはなかった。

 

 

春日1-0植木

 

 

 

GAME 2

 

 

春日の《光り物集めの鶴/Glint-Nest Crane(KLD)》が第二ゲーム最初の呪文となる。《光り物集めの鶴/Glint-Nest Crane(KLD)》がめくったのは《新緑の機械巨人/Verdurous Gearhulk(KLD)》で、それを見届けて植木はターンエンドに《鎖鳴らし/Rattlechains(SOI)》を召喚する。

 

この《光り物集めの鶴/Glint-Nest Crane(KLD)》に《停滞の罠/Stasis Snare(BFZ)》を向ける植木。許可して春日は《コジレックの帰還/Kozilek's Return(OGW)》を。

 

《ガラス吹き工の組細工/Glassblower's Puzzleknot(KLD)》、《新緑の機械巨人/Verdurous Gearhulk(KLD)》を次々と《虚空の粉砕/Void Shatter(OGW)》で打ち消す植木。2枚目の《新緑の機械巨人/Verdurous Gearhulk(KLD)》も《即時却下/Summary Dismissal(EMN)》で打ち消し、《放浪する森林/Woodland Wanderer(BFZ)》には《呪文捕らえ/Spell Queller(EMN)》と、完璧に春日の攻め手をさばき続ける。

 

この《呪文捕らえ/Spell Queller(EMN)》に《蓄霊稲妻/Harnessed Lightning(KLD)》を打ち込む春日。だが残りの手札はすべて土地。

5マナ立てている植木に向かって攻撃を仕掛けるも、《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn(SOI)》の前に討ち死にに。

 

マナフラッドが続く春日。気付けば場には10マナ。手札にあるのは《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger(BFZ)》。

 

《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger(BFZ)》をプレイ。《コジレックの帰還/Kozilek's Return(OGW)》が誘発。

 

それを打ち消す、《即時却下/Summary Dismissal(EMN)》。

 

 

 

春日1-1植木

 

GAME 3

 

 

最後のゲームも植木はドローゴーを繰り返す。動くのは春日、動かないのが植木だ。

春日は《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》を唱え、植木は《非実体化/Unsubstantiate(EMN)》を。

 

だがここで両者は土地が止まる。春日は3枚、植木は2枚。だが《革命的拒絶/Revolutionary Rebuff(KLD)》で《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》は打ち消す。

 

マナトラブルから開放されたのは植木。3枚、4枚と次々と土地をドローし、再びゴーが始まる。《呪文捕らえ/Spell Queller(EMN)》で《蓄霊稲妻/Harnessed Lightning(KLD)》を打ち消し、効率的にクロックを増やし続ける。

 

4枚目の土地を引けない春日。呪文を通すターンは《呪文捕らえ/Spell Queller(EMN)》がフルタップで出てきた瞬間しかなかった。

ようやく引いた時にはもう植木は準備万端。

 

もう1枚も、春日の呪文が通ることはなかった。

 

 

 

 

植木2-1春日