Round2 小堺透雄(せるぷー四天王) vs.二通駿介 (ジャミラ組)

このラウンドを戦うのは、ミスターLMC経験のある二通 駿介と、先週のグランプリ静岡で菅谷とチームを組み、見事にトップ4へと勝ち進んだ小堺 透雄の戦いをお届けしよう。

 

 

共にLMCの常連で旧知の仲の二人はシャッフル中もトラッシュトークが弾む。

二通「く~。当たるの早いですよ~」

小堺「ね~」

 

そう言いながら、二人はオープニングハンドをライブラリーに戻し、続けて手にした6枚も納得がいかずにシャッフルを始める。

 

二通「ミラーマッチですからね~」

小堺「中途半端なハンドはね~(笑)」 

 

そう、これから戦う二人は共に同じデッキを手にしている。環境最速のデッキとして名高いラムナプレッドを。

ラムナプレッドVSラムナプレッド。激戦必至のミラーマッチが今、始まる。

 

 

GAME 1

 

 

お互いに5枚の手札から始まったラムナプレッドミラーマッチは、二通の先手2ターン目の《地揺すりのケンラ/Earthshaker Khenra》を小堺が《ショック/Shock》で撃ち落として始まる。

 

3ターン目のアクションがなくターンを返す二通に対し、3枚目の土地を置いた小堺は、《アン一門の壊し屋/Ahn-Crop Crasher》と《暴れ回るフェロキドン/Rampaging Ferocidon》とある手札から、どちらも唱えることなくターンを返す。

 

 

これは赤単に慣れた小堺が見せたテクニックだ。相手がマナを構えている状態では、ターン終了時に対処され、テンポを大きく取られてしまう。

そして手札には《削剥/Abrade》があり、だからこそ、小堺は待った。たとえば二通が《アン一門の壊し屋/Ahn-Crop Crasher》を唱えた場合、それを除去することで、残り1マナしか残っていないため、こちらが唱えた《暴れ回るフェロキドン/Rampaging Ferocidon》を対処するには、また自分のターンに戻ってからとなる。そうすれば2マナを縛ることができ、ゲームに大きな影響を与えるかもしれない。

 

結局、小堺の策はうまくいかなかった。ここで二通が唱えたのは《ボーマットの急使/Bomat Courier》で、きちんと2マナを余らせていたのだ。

《ボーマットの急使/Bomat Courier》に《削剥/Abrade》を打ち込んだ小堺は、自分のターンに入ると、《アン一門の壊し屋/Ahn-Crop Crasher》に手を伸ばす。

《アン一門の壊し屋/Ahn-Crop Crasher》は予定調和的に焼き払われたものの、後続として唱えた《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ/Kari Zev,Skyship Raider》と《アン一門の壊し屋/Ahn-Crop Crasher》は生き残り、俄然ゲームは小堺優勢。

 

に見えたのだが。

ここで二通に駆け付けたのは、《熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent》!

 

 

たった1枚のカードで窮地に陥った小堺。盤面を計算し、なんとか《熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent》と殴り合う算段を立てる。最小限のブロッカーを残して攻撃し、ダメージレースを仕掛ける。

 

だが、二通のトップから降臨した《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》が、《熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent》の最後の道をこじ開けたのだった。

 

二通1-0小堺

 

 

GAME 2

 

 

このゲームは両者7枚から始まり、小堺の《ボーマットの急使/Bomat Courier》が勢いよくレッドゾーンに飛び込む。

ブロッカーとして二通は《損魂魔道士/Soul-Scar Mage》を立てるが、小堺は勢いよく《地揺すりのケンラ/Earthshaker Khenra》を送り込み、ならばと二通も《地揺すりのケンラ/Earthshaker Khenra》で果敢に攻め、お互いのライフが見る見る内に減っていく。

 

ここで小堺はこのマッチで重要度の高い《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester》をキャストする。これが《削剥/Abrade》されなければ、一気に小堺が有利となる。

 

 

そして二通の手札に《削剥/Abrade》は——なかった。《稲妻の一撃/Lightning Strike》で《ボーマットの急使/Bomat Courier》を落とし、小堺の攻撃に備えるべく、《地揺すりのケンラ/Earthshaker Khenra》を立たせる。

《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester》を倒せなかった以上、ダメージレースを挑むのは愚策だ。二通のこの判断は正確で、そして早い。

 

だが、小堺は既にダメージ計算を終えていた。《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester》で2度殴ると、後はターン終了時に《ラムナプの遺跡/Ramunap Ruins》を起動するだけで良かった。

 

二通1-1小堺

 

 

GAME 3

 

 

最終ゲームは二通の《地揺すりのケンラ/Earthshaker Khenra》と小堺の《損魂魔道士/Soul-Scar Mage》が攻撃し合うスタートとなった。

2枚目の《地揺すりのケンラ/Earthshaker Khenra》に《削剥/Abrade》を唱えた小堺は、3ターン目に何もアクションを起こさない二通に怪訝な表情をしながらも、第二ゲームを決めた《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester》を唱える。

 

ミラーマッチのキーカードにして、ゲーム2を決めた1枚。そして今回も二通は《削剥/Abrade》を持っていなかった——だがその代わりに、今回の二通は勝利のプランを思い描いていた。

まずは《損魂魔道士/Soul-Scar Mage》を《チャンドラの敗北/Chandra's Defeat》で焼き払う。更に本体に《稲妻の一撃/Lightning Strike》。これで残りの手札は僅かに2枚。そう、2枚しかないのだ。本来なら手札に温存してクリーチャーを除去する時に使う火力を、このタイミングで本体に使う。

これが意味するところを、小堺は瞬時に理解した。

 

 

間もなくして《熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent》がレッドゾーンに送り込まれる。

 

ライフが0点になるその瞬間まで、神は小堺に駆け付けることはなかった。

 

 

二通2-1小堺