Round4 二通駿介 (ジャミラ組)vs.岡井俊樹

4回戦にして全勝のテーブルは既に数少ない。そんな中から、スタンダード強者の二人のマッチをお届けしよう。

フィーチャーマッチ二度目の登場となるのは二通。スタンダードのプロツアー予選を突破した経験もあり、本日はラムナプレッドを駆り、ここまで3連勝中だ。

 

そして好調の二通と対峙するのが、岡井 俊樹。

 

 

岡井は近年頭角を現している、若手競技プレイヤーだ。プロツアー地域予選も突破し、既にプロツアーという大舞台も経験している。日々トーナメントで成長を続けている、今最も熱いプレイヤーの一人だ。

そんな岡井の使用するデッキはティムール・エネルギー。スタンダードに自信のある岡井がこの『環境最強デッキ』と目されているデッキを使用するのは、実に合点がいく。

 

スタンダードを得意とする2人の対戦は、それを象徴するかのような、Tier1同士による戦いとなった。

 

 

GAME 1

 

 

二通の《ボーマットの急使/Bomat Courier》がゲームの口火を切り、岡井は《霊気との調和/Attune with Aether》で応える。

そして二通は自分のターンに入ると、笑みを浮かべる。そしてその理由はすぐに明らかとなった——《ボーマットの急使/Bomat Courier》で攻撃した後に、2体の《帆綱走り/Rigging Runner》を唱えたのだ。あっという間に2/2先制攻撃が2体追加され、岡井は苦しい表情。

 

 

ラムナプレッドはローテーションで《ファルケンラスの過食者/Falkenrath Gorger》を失った代わりに、『イクサラン』で《帆綱走り/Rigging Runner》を手に入れた。《ならず者の精製屋/Rogue Refiner》にブロックされづらく、飛行機械トークンでも相打ちを取られないというのが大きなメリットだ。

 

岡井の展開も悪くない。《削剥/Abrade》で《帆綱走り/Rigging Runner》の内片方を除去し、《ならず者の精製屋/Rogue Refiner》をプレイ。そう、決して悪くはない。

はずなのだが。二通の動きがあまりにも良すぎる。

 

二通は《ならず者の精製屋/Rogue Refiner》を《稲妻の一撃/Lightning Strike》で焼き払うと、迎えた4ターン目。4枚目の土地を力強く置き、《熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent》をレッドゾーンへ滑り込ませる。

《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》や《ならず者の精製屋/Rogue Refiner》で延命を試みる岡井だったが、残り5点のライフを守り切ることはできなかった。

 

 

二通1-0岡井

 

 

GAME 2

 

 

マリガンスタートとなった岡井は、《植物の聖域/Botanical Sanctum》しかない手札を迷いながらキープ。

占術を下に置き、《導路の召使い/Servant of the Conduit》に視線を送りながら、ドローフェイズを迎える。祈るように引いた岡井だが、だが土地に巡り合うことができない。

そんな岡井を後目に二通はこのゲームも絶好調だ。《ボーマットの急使/Bomat Courier》が1ターン目から戦場を駆け抜け、《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ/Kari Zev,Skyship Raider》が後を続く。

 

 

ようやく土地を引いた岡井が出した《導路の召使い/Servant of the Conduit》も意に介さずに《アン一門の壊し屋/Ahn-Crop Crasher》を走らせ、続けて唱えた《地揺すりのケンラ/Earthshaker Khenra》が、《導路の召使い/Servant of the Conduit》のブロックすら封じてしまう。

 

僅か4ターンの瞬殺劇。

 

 

二通2-0岡井

 

 

岡井「うーん、事故った。仕方ない」

二通「ぶんまわりました」

岡井「そうですね。でもキープ判断は間違ってなかったと思います。《導路の召使い/Servant of the Conduit》から3ターン目《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra》が見えていたので…。赤単に一番勝ちやすいムーブの一つが、最速《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra》なんですよね」

二通「なるほど」

 

 

一瞬で終わったゲーム2について話し合う二人。

 

二通「そういえば、赤単側のサイドなんですけど……」

そう言いながら、サイドボードのインアウトを議論し合う二人。

 

ゲームが終わった直後に交わされる熱い議論。二人がスタンダード強者なのは当然なのかもしれない。