Round12 菅野充臣(幕張)vs. 岡井俊樹(東京)

ドラフトラウンドも終了し、LMCCの予選ラウンドもいよいよ佳境。トップ8へ残るために、プレイヤー達はスタンダードのデッキを再び手に取り、対戦テーブルへ着く。

 

既に何度もフィーチャーマッチに登場している岡井と菅野は、それぞれティムール・エネルギーを使用している。黒をタッチして《スカラベの神/The Scarab God》や《人質取り/Hostage Taker》を採用するリストが多い中、ここで対峙する両者が使用するのは、共に純正のティムール・エネルギーだ。

 

LMCの古豪、菅野と期待の若手トーナメントプレイヤー岡井が、共にティムール・エネルギーという武器を携えて火花を散らす。

 

 

GAME 1

 

 

ゲームの口火を切ったのは菅野の《牙長獣の仔/Longtusk Cub》。これが3ターン目の《ならず者の精製屋/Rogue Refiner》のバックアップを受け、早速ダメージを通していく。

一方、後手の岡井も滑り出しは順調だ。《霊気との調和/Attune with Aether》から《導路の召使い/Servant of the Conduit》と展開し、3ターン目には《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》と、《牙長獣の仔/Longtusk Cub》に対しての防衛線をしっかりと張る。

 

4ターン目を迎えた菅野はまず《導路の召使い/Servant of the Conduit》をプレイし、エネルギーを5個にする。そして3/3の《牙長獣の仔/Longtusk Cub》で攻撃。エネルギーの7個ある岡井は《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》でのブロックを考えるが、結局スルー。菅野はすかさず《牙長獣の仔/Longtusk Cub》を5/5へと成長させ、岡井のライフを12に落とす。

 

岡井のアクションは《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra》。エネルギーが発生する前に菅野は《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》に《削剥/Abrade》を打ち込み、岡井はレスポンスで飛行機械トークンを生み出すか考えるが、ここには使用せず。

 

《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra》を前に、菅野は攻める。《栄光をもたらすもの/Glorybringer》をキャストすると、督励で《導路の召使い/Servant of the Conduit》を焼き払いつつ、クリーチャーをオールイン。《牙長獣の仔/Longtusk Cub》が《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra》と相打ちとなるも、岡井のライフは風前の灯に。

 

 

2枚目の《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra》をブロッカーとして立たせてみるものの、飛行に対抗する手段はなく。1ターンの眠りから覚めた《栄光をもたらすもの/Glorybringer》が、まずは貴重な勝ち星を菅野にもたらした。

 

 

菅野1-0岡井

 

 

 

 

GAME 2

 

 

先手を得た岡井だが、7枚の初手には満足できず。マリガン後の手札にも首を傾げながらキープする。

 

 

このゲーム最初の行動は3ターン目の岡井の《ならず者の精製屋/Rogue Refiner》となった。菅野はここに《蓄霊稲妻/Harnessed Lightning》を即座に打ち込み、帰ってきたターンで《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable》を着地させる。

 

神の前に、岡井は少考する。だが意を決して《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra》をプレイ。パワー4以上のクリーチャーが場に出てきさえしなければ、神はひとまず脅威ではない。神がアクティブになる前に殴り切ってしまおうという算段だ。

 

だが菅野が《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable》の相棒として最も優秀な《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra》を唱えると、岡井は苦笑する。そのカードでさえなければ、と思っているのだろう。菅野もその笑みの意味するところを理解し、微笑する。

 

 

 

岡井は《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》をキャストするが、《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable》の前にはチャンプブロックが許されないため、この状況では解決策とはならない。

 

盤面にパーマネントが増えてきても菅野は揺れない。《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra》に殴られないように《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable》を立てて、こちらの《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra》で攻撃する。岡井は菅野に3マナを使わせる目的で飛行機械トークンを生み出し、結果的にトランプルが《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra》に付与される。

 

《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra》が攻撃できなくなった以上、岡井は防戦を徹底する。《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》の横に《ならず者の精製屋/Rogue Refiner》を並べる——が、レスポンスで《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》には菅野からの《蓄霊稲妻/Harnessed Lightning》が飛ぶ。

 

この岡井の防戦を打ち破る策を菅野は模索する。そして攻撃の手を止め、《慮外な押収/Confiscation Coup》で《ならず者の精製屋/Rogue Refiner》を奪いにかかることにした。クリーチャーさえいれば《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable》で強化していけるのだから、この際ただの3/2だろうとなんでも良いという判断なのだろう。

 

と、ここで岡井もビッグアクション。《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》を唱えてマナを生み出し、《栄光をもたらすもの/Glorybringer》で攻撃を仕掛けたのだ。

菅野の手札は少ない。後は《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》の能力を使い続けていけば、有利になっていくのは岡井だ。そのための守りもしっかりとできている。

 

不利な滑り出しとなった岡井の、逆転の兆しが確かに見えた。

《川の叱責/River's Rebuke》が、菅野の手札から放たれるまでは。

 

 

パーマネントを手札に戻すことなく、岡井はそのカードを畳んで投了の意を示したのだった。

 

 

菅野2-0岡井