決勝 岡井俊樹(東京)vs.二通駿介 (ジャミラ組)

LMCC決勝戦。

まだカードが1枚も出ていない状態から、二人の戦いは始まっていた。

 

二通「また会いましたね」

にこやかに、二通が声をかける。

 

 

岡井「同じ相手に4回負けるわけにはいきません…!」

応えるのが岡井。

 

 

既に両者は闘志に燃えている。

 

二通「昨日のスタンダードでもドラフトでも当たって、今日もドラフトで当たってるんです」

岡井「しかも僕が3連敗中で…」

 

スタンダードとドラフトのジグザグフォーマットで行われているLMCC 2017では、同日でも2度同じプレイヤーと対戦することがあるのだ。

そして二日目では、初日に戦った相手とまた対戦することがある。

 

この二日間の結果は、ここまで二通が3勝0敗なのだという。

 

岡井「4連敗したら…プライドが…!」

二通「ふふ…あ、先行もらいますね」

岡井「くー! ラムナプレッド相手に後手かー!」

 

そんな会話をしている内に、お互いのシャッフルが終わる。

 

トラッシュトークは終わり、一瞬の静けさが訪れる。それが二人の戦いの合図。

LMCC 2017決勝戦の戦いが、今始まる。

 

 

GAME 1

 

 

マリガンを喫した二通が《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ/Kari Zev,Skyship Raider》を唱えて始まったLMCC決勝戦。

これに対して岡井が《牙長獣の仔/Longtusk Cub》を立てて、3ターン目に《アン一門の壊し屋/Ahn-Crop Crasher》をキャストした二通は少考する。結果的に督励しないことを選び、《牙長獣の仔/Longtusk Cub》は《アン一門の壊し屋/Ahn-Crop Crasher》と相打ちになる。

 

次の岡井のアクションの《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》には即座に《稲妻の一撃/Lightning Strike》を打ち込み、ここで今度は岡井が時間を使う。結局、飛行機械トークンは生み出さずに、代わりに自分のターンで2枚目の《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》をキャスト。エネルギーを6つに増やす。

 

 

二通は5マナを立ててアクションせずにターンを終了。岡井はそれを見て終了時に飛行機械トークンを生み出し、《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》のみで攻撃。戦闘後に好守で活躍する《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra》を唱えて二通へターンを返す。

 

完全にマナフラッドに陥っている二通は、再び《ラムナプの遺跡/Ramunap Ruins》を起動できる5マナ目を置いてターンを終了。まだ岡井のライフは10あり、《ラムナプの遺跡/Ramunap Ruins》で削るには遠すぎる。

そして《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ/Kari Zev,Skyship Raider》が《削剥/Abrade》で焼かれると、岡井はブロッカーを残すことなくレッドゾーンにクリーチャーを送り込んでくる。

 

最後まで土地を置き続けた二通は、攻撃クリーチャーのダメージを計算した後、頷いて土地を片付けた。

 

 

岡井1-0二通

 

 

GAME 2

 

 

《損魂魔道士/Soul-Scar Mage》、《霊気との調和/Attune with Aether》とお互いに1ターン目から動き始め、まずは《地揺すりのケンラ/Earthshaker Khenra》で攻撃した二通が一歩リードという序盤の戦い。

岡井は2ターン目をパスし、二通の攻撃に対して少考の末、攻撃を受けることに。

第二メインフェイズで二通は《損魂魔道士/Soul-Scar Mage》をプレイし、この1/2に対して岡井はアクションを起こすことなく自分のターンを迎える。そして本人も能力もブロッカーとして優秀な《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》をキャスト。

 

《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》とエネルギー5個の前に、二通は《地揺すりのケンラ/Earthshaker Khenra》、《損魂魔道士/Soul-Scar Mage》2体で攻撃。飛行機械トークンが《地揺すりのケンラ/Earthshaker Khenra》と相打ちになり、《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》は《ショック/Shock》の合わせ技で《損魂魔道士/Soul-Scar Mage》に一方的に除去される。

 

 

そして重要な4ターン目。《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra》か、2枚目の《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》か、あるいは別のカードか。

二通は緊張の面持ちで岡井を見つめる。そして岡井からの発声は。

 

岡井「エンド」

二通「…エンド?」

岡井「はい(笑)」

 

一瞬、和やかな雰囲気に包まれる決勝戦。

 

結果、4マナの内1マナから《チャンドラの敗北/Chandra's Defeat》が飛び、《損魂魔道士/Soul-Scar Mage》は1体に。更にもう1枚の《損魂魔道士/Soul-Scar Mage》には《栄光をもたらすもの/Glorybringer》の炎が飛ぶ。

 

クリーチャーを失っても二通にはライフを削る手段がまだ残っている。6枚目の土地を置くと、《地揺すりのケンラ/Earthshaker Khenra》を永遠で場に戻し、岡井のライフを6まで落とす。

この《地揺すりのケンラ/Earthshaker Khenra》は《慮外な押収/Confiscation Coup》で奪われるも、既に二通は計算を終えていた。

 

この6点のライフは、《ラムナプの遺跡/Ramunap Ruins》と《ショック/Shock》が削り切ったのだった。

 

 

岡井1-1二通

 

 

GAME 3

 

 

LMCC 2017、最後の戦いは、二通の1ターン目の攻撃宣言で幕を開けた。

 

岡井のファーストアクションは《牙長獣の仔/Longtusk Cub》。これは《稲妻の一撃/Lightning Strike》で焼き払うが、《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》の前には《ボーマットの急使/Bomat Courier》もさすがに殴ることができない。2枚目の《ボーマットの急使/Bomat Courier》と《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ/Kari Zev,Skyship Raider》を着地させ、岡井にターンを返す。

岡井は《ならず者の精製屋/Rogue Refiner》を唱えて《霊気拠点/Aether Hub》を置き、エネルギーを6つにする。飛行機械トークンをいつでも2体生み出せる体制だ。

 

ここで戦場が加熱する。このマッチで初めてとなる《熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent》が降臨したのだ。対して岡井も《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra》をキャストし、ダメージレースに持ち込めるように盤面を築き上げる。

 

 

と、このタイミングで二通は《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》に《稲妻の一撃/Lightning Strike》を飛ばす。岡井は9個のエネルギーの内、いくつ消費するかで悩み、結局2体だけ生み出すことに。

 

《熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent》の攻撃は飛行機械トークンがチャンプブロックし、このターンはダメージを与えることはできない。だが《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》は既に除去しており、《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra》しか相手にはクロックがない。

 

このままなら勝利するのは二通だ。

 

そう、《熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent》が残るのならば。

岡井がここでプレイしたのは、《慮外な押収/Confiscation Coup》!!

 

そしてこの瞬間に、好守が入れ替わった。

二通は攻め手を失い、ターンを終了するしかない。その二通の戦場から、《蓄霊稲妻/Harnessed Lightning》と《チャンドラの敗北/Chandra's Defeat》でブロッカーを退ける。

これにより、岡井の手札は後1枚に。

 

動き出す、《熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent》。

 

 

勝利の女神が微笑んだのは、ティムール・エネルギーを駆る若武者だった。

 

 

岡井2-1二通

 

 

LMCC 2017優勝は岡井 俊樹!おめでとう!