準々決勝 岡井俊樹(東京) vs. 柴田徹(MO)

14回の予選ラウンドが終わり、残ったプレイヤーは僅かに8名。ここからはシングルエリミネーション。敗北すればその時点で終了となるデスマッチ。

4卓でそれぞれ熱い戦いが繰り広げられている中、3位で予選を通過した岡井と、6位で突破した柴田の戦いをお届けしよう。

 

柴田 徹はMagic Onlineで鍛錬を積むプレイヤーで、スタンダードを6勝2敗の好成績で終え、この準々決勝を迎えている。

 

 

そして岡井 俊樹。プロツアー出場経験もある今売り出し中の若手プレイヤーで、スタンダードラウンドは5勝2敗1ID。

 

二人の使用するデッキは共にティムール・エネルギー。それも流行の《スカラベの神/The Scarab God》が入ったタイプではなく、青緑赤の純正なティムールカラーだ。

 

現環境で最も強いと評されているティムール・エネルギー。そのミラーマッチともなれば、激闘必至。

熱戦に期待したい。

 

 

GAME 1

 

 

スイスラウンド上位の岡井が《隠れた茂み/Sheltered Thicket》と《根縛りの岩山/Rootbound Crag》から《牙長獣の仔/Longtusk Cub》を送り込み、準々決勝は始まった。

 

後手の柴田は《導路の召使い/Servant of the Conduit》で遅れを取り戻そうとするのだが、岡井は《削剥/Abrade》で即座に《導路の召使い/Servant of the Conduit》を葬ると、追加のエネルギーを《牙長獣の仔/Longtusk Cub》の攻撃で獲得する。

 

柴田の次の行動が《霊気拠点/Aether Hub》セットからの《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》だったため、3ターン目を迎えた岡井は少考する。

エネルギー6個、つまり飛行機械トークンが2体。そして2/3。どのように《牙長獣の仔/Longtusk Cub》で攻撃していくか、だ。

結果、《牙長獣の仔/Longtusk Cub》で攻撃せずに《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra》を唱えるのみとする。

 

それを見てターン終了時に柴田は飛行機械トークンを1体生み出し、自分のターンに入ると《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra》をこちらもキャスト。

 

悩む岡井は《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable》を戦場に。《逆毛ハイドラ/Bristling Hydra》をコントロールしているため、この《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable》はほぼ常に戦闘に参加できる。

 

 

とはいえ岡井の悩みの種は尽きない。地上は止まったが、空は相変わらず止まっていない。柴田の《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》が2体目の飛行機械を生み出すと、《ならず者の精製屋/Rogue Refiner》で更に飛行機械の元となるエネルギーが生み出されていく。

 

ならばと岡井は《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》をキャスト。

そしてこのプレインズウォーカーが、ゲームの流れを変える。

 

飛行機械の攻撃を受け止めた《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》は、最後の力を使って赤マナを生み出す。そのマナで《栄光をもたらすもの/Glorybringer》を唱えると、督励で《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》を焼き払う。

 

飛行機械のアタックで《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》を失った岡井だが、十分に仕事は終わっている。《栄光をもたらすもの/Glorybringer》を出し、飛行機械のダメージを受け止め、そのおかげで岡井は間に合ったのだ。

 

そう、《霊気との調和/Attune with Aether》をドローした。岡井にとってこの状況で必要なのは《島/Island》だったのだ。

 

 

この時、実は岡井は青マナをコントロールしていなかった。青マナさえあれば、飛行機械に対抗する手段が手札には控えていた——そう、《つむじ風の巨匠/Whirler Virtuoso》が。

二桁を超えるエネルギーを獲得している岡井に、ついに柴田の飛行機械の進軍が止まる。

 

こうなれば、パーマネントの数で上回る岡井が徐々に有利になって行く。

《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable》のバックアップを受けた攻撃で、間もなく柴田を投了に追い込んだのだった。

 

 

岡井1-0柴田

 

 

GAME 2

 

 

このゲームも柴田の《導路の召使い/Servant of the Conduit》が岡井の《削剥/Abrade》で除去される序盤戦。

 

3ターン目に《牙長獣の仔/Longtusk Cub》を唱えた柴田は、ブロッカーの《ならず者の精製屋/Rogue Refiner》を《削剥/Abrade》で除去し、《牙長獣の仔/Longtusk Cub》で一撃を与え、3/3へと成長させる。

 

3/3の《牙長獣の仔/Longtusk Cub》の前に岡井は2/2の《牙長獣の仔/Longtusk Cub》をブロッカーとして立て、この獣が戦闘でぶつかり合う。岡井が3/3にしたところで柴田は《捲土+重来/Struggle+Survive》を打ち込み、岡井はそれを受け入れる。

 

この《牙長獣の仔/Longtusk Cub》が生き残り続ければひとまず柴田が有利、というところなのだが。

 

岡井の手札からは《栄光をもたらすもの/Glorybringer》。

そして次のアクションがない柴田を介錯する、2枚目の《栄光をもたらすもの/Glorybringer》。

 

 

並ぶドラゴンの内、片方にはすぐ対処した柴田。手札には《栄光をもたらすもの/Glorybringer》を除去できる《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》が控えている。

だが、土地がない。

 

最後のターンに巡り合った4マナ目である《植物の聖域/Botanical Sanctum》を悔しそうにタップインし、柴田は右手を差し出したのだった。

 

 

岡井2-0柴田